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津軽のご当地駄菓子いもくじ

2019/11/06

子供時代誰もが一度は行った駄菓子屋さん。皆さんはどんな思い出がありますか?色々と調べてみたところ、日本全国それぞれの地域にご当地駄菓子と言えるような特色があるようです。例えば東京のもんじゃ焼きなんかは、ご当地駄菓子の王様と呼べるような存在ですよね。他にも静岡のおでんなど、それぞれの地域で特色があります。私が子供時代を過ごした青森にも何か特色があるのかな?と思い立って調べたところ、やはりありました!当たり前と思っていたものが意外にも青森限定だったりして、新しい発見がありました。

子供の頃、駄菓子屋さんに売っている物の中で私が一番好きだった食べ物が「いもくじ」。名前のまんまの、お芋のくじです。白い紙製の箱の蓋の裏にくじが付いていて、狙いを定めてこれだと思ったものをめくると「親」または「子」という文字が書かれています。「親」を引き当てると大きいいも、「子」を引くと小さいいもがもらえるという単純きわまりないいもくじ。しかし「いも」といっても本当のお芋がもらえるわけではありません。通称「いも」と呼ばれるこれはあんドーナツのようなもので、小豆のあんの代わりに芋あんが入ったものなんです。これが…本当に美味しいお菓子なんです。

くじは当時一回30円でした。一日100円と決まっているお小遣いを握りしめ、今日は絶対に「親」が出ますようにと都合よく神様に祈ったものです。親と子のいもの大きさはけっこうな違いがあったので、それはそれは真剣な戦いでした。親を引き当てた時の喜びと、子を引いた時の落胆。それはもう自分の中の新聞の一面を飾るほど、心踊るものでした。

当時はいもくじをお腹いっぱい食べたい!と夢見ていたものです。大人になった今一箱3000円ぐらいのいもくじは、やろうと思えば手の届く夢。でも考えてみると、くじを引かずにいもを食べるなんて邪道。子供の頃の自分に「大人ってつまんない」と言われてしまいそうな気さえします。くじをめくる時のスリルがあってこそのいもくじ。けれど手が届くのに、東京にはないらしい…。このことを知ってしまった今、子供時代には当たり前に食べられていたいもくじがとても贅沢なものに思えてくるのでした。

皆さんもたまには子供時代に好きだった駄菓子のことを思い出してみてください。きっと他の地域の人に自慢できる食べ物があるはずですよ。

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ライタープロフィール

李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。