青森ってどんなところ?
青森のおすすめスポット、風習、お祭りなど青森について紹介します。

雪国青森の苦労話

2019/10/02

青森は大まかに「津軽」と「南部」という2つの地域に分かれています。ちょっと青森県の地図を思い浮かべてみてください。縦半分に分けて左が日本海側の津軽地方、右が南部地方です。この2つの地域の大きな違いは、簡単に言うと積雪量です。津軽地方は雪が多くて寒い地域。南部地方は太平洋側ということもあり、比較的雪が少なく気温も高めです。私は津軽地方に住んでいたので、冬になるとそれはもう大変でした。

まず忘れられないのが、冬になると何度も側溝に落ちたこと。冬の青森の道の端っこはとても危険です。雪が積もらない土地に住んでいる人はまったくピンとこないかもしれませんが、雪国では雪かきをしたその雪を側溝に捨てるため、コンクリートの蓋が常に開いています。開いているだけならさすがの私も気づいて避けるのですが、そこが雪で埋まっていて歩道と側溝の境目がわからないのです。油断してあまり端っこを歩くとすぐに側溝にはまり、脱出するまでとても恥ずかしい思いをします。私は7歳までは愛知県に住んでいたので、青森に引っ越して何度目かの冬まではなかなか慣れず通学路で一度は必ず側溝にはまっていました…。

さらに今でも地味に悔しいのが、冬に温かいコーンスープでも飲もうと自動販売機へ行った時のこと。なにせ青森は寒いので手袋をしています。寒いから絶対に手袋を脱ぎたくないので、そのままの手でポケットを探り100円玉を取り出します。いざ自販機にお金を入れようとして少しでも手元が狂って100円玉を落とすと、もう一生出てきません。周りは一面雪が積もり、雪かきされた道路の雪が歩道に積み上げられています。そこにお金を落としてしまうと、雪の中に埋まってしまい取り出せなくなるのです。必死に取り出そうと雪を掘れば掘るほど奥へ行ってしまってますます取り出すのが難しくなり、泣く泣く家へ帰るという経験を何度かしました。自分のお小遣いならまだいいのですが、親に頼まれたおつかいの時にそんなことをしてしまうと、こっぴどく叱られるというオマケまでついてくるのでした。

雪国で暮らす大変さは、こういう地味な日常にこそ潜んでいます。他にも、雑誌に載っているようなヒールのブーツは雪国ではとうてい履けないことや、猛吹雪の中で遅れるバスを延々待たないと帰れないこと。でも家に帰ると東京の比ではない暖かい部屋があり、乾燥とは無縁の冬が今となってはとてもうらやましく思えます。

関連記事
ライタープロフィール

李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。