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もつけな私
2019/10/04
あーかちゃくちゃねー!やめでやりてーじゃ!……ごめんなさい失礼しました。と言ってもこの記事を読んでいる大多数の人は意味がわからないはずなので、謝る必要もないのかも。なんて言いつつちょっと解説すると、冒頭の言葉は青森の方言「津軽弁」です。津軽弁はわかりづらい方言の1つとしてあまりに有名ですよね。テレビで津軽弁が流れると必ず字幕がつくのは皆さんご存知の通りです。
私は小学生の時に愛知県から青森へ引っ越しました。転校第一日目、クラスのみんなに温かく迎えられた私は不安を抱きつつも新しい友達ができることに期待していました。しかし寄ってきた同級生たちが何を言っているのかさっぱりわからない!とは言え同じ日本人であることに違いはないのでなんとなくはわかるのですが、細かいニュアンスがまったく伝わって来ないのです。怒っているのか冗談なのか本気なのか。困惑したままわかる範囲のことに受け答えしていると、誰かが「ヘンなしゃべり方!」と言うではありませんか。私からすれば彼らの方がよっぽど「ヘンなしゃべり方!」です。でも子供ながらに転校初日にそんなことを口に出せば大変なことになるのはわかっていたので、愛想笑いをして誤魔化したのをよく覚えています。
初日に津軽弁の洗礼を受けた私は、早くクラスに馴染むにはどうしたらいいか考えました。そして出した答えが積極的に津軽弁を使うこと。見よう見まね(聞きよう聞きまね?)で津軽弁を使い、早く青森の子供たちに馴染むよう努力したのです。その甲斐あって私はみるみる青森人になっていき、一年後には立派な津軽弁使いになっていました。
そして成長するにつれ、私のことを「もつけ」と言う人が増えていきました。「もつけ」とは標準語で言うとおっちょこちょいな人とかお調子者という意味。「あんたは本当にもつけだね」などどいう使い方をします。決して褒め言葉ではありませんが、私はこの言葉が大好きです。標準語で言うところのお調子者という言葉では表しきれない、少し愛情が入っているように感じるこの津軽の言葉は、私という人間を表現するのにピッタリな言葉だと思っています。
ちなみに冒頭の言葉ですが、あえて意味は言わないでおきます。この記事を書き終えようとしている今、冒頭で言った気持ちはすっかり消えたので…。
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李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。