ドイツってどんな所?
ベルリン在住のMIKIさんがドイツについて紹介します。

リスボンは詩、ベルリンはマニフェスト

2013/10/17

リスボンは詩、ベルリンはマニフェスト

リスボンは詩、ベルリンはマニフェスト

リスボンは詩、ベルリンはマニフェスト

ポルトガルのリスボン旅行をしてきた友人が言った言葉です。「リスボンは詩、ベルリンはマニフェスト」

真理をついている!と言いたいところですが、私は残念ながらリスボンに行ったことがないので、比較することができません。しかしながら、すごくユニークで、アイロニカルな例えだと感じます。

南ヨーロッパを旅するとドイツに戻って来て雰囲気が固いな〜。と感じてしまうことがあります。明るく陽気な南ヨーロッパのパワーはドイツにはありません。どちらかといえば、もの静かで控えめなイメージです。

ところが、そのように魅力的なイメージの南ヨーロッパからドイツへの移住者が近年では急増しています。EUに加盟している国の国民は、同じEU内であればどの国に移り住んで働いても良いのです。そのためドイツにはイタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャなどから移住して来て職探しをしている若者が多いのです。

なぜロマンチックな詩の国からお固いマニフェストの国へとわざわざ移住して来るのかというと、金融危機後の就職難の問題が深刻なためです。失業率が過去最悪の27%にまでになったスペインでは、若者のスペイン離れが進んでいます。国を出て他国で仕事を探す若者が急増しているのです。

ベルリンの語学学校でも、だいたいいつもクラス内の五割は南ヨーロッパ出身者で三割はスペイン系でした。もともとの数が多い上に、ラテン系の言語を母国語に持つ彼等はゲルマン系の言語習得に時間がかかるのです。ドイツで仕事を探す上で必要なドイツ語や英語をみんな必死で勉強していました。

ドイツはポルトガルやスペインに比べて経済的に豊かですが、ロマンチックなムードや人生を謳歌するようなメンタリティーはありません。そのためかドイツが肌に合わず「経済状況が良くなったらいずれ自分の国に戻る」という人もいました。

そのために分が悪くなるのはドイツの若者です。外国人とまで受験や就活で争わなくてはなりません。ドイツ語上級レベルの条件やドイツ人枠を定めている大学や企業が多いのもドイツ人優遇のためなのでしょう。

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ライタープロフィール

MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。