ドイツってどんな所?
ベルリン在住のMIKIさんがドイツについて紹介します。

ベルリンのホームレス

2013/09/02

パリやブリュッセルの地下鉄には上野の「ホームレス街」のようなものがあり、そこでは汚れた毛布がそこいらに落ちていたり、犬を何匹も連れているホームレスがたむろしていたのを覚えています。しかしベルリンのホームレスはパリのそれと比較しても少なく、あまり目立ちません。ホームレス気取りのパンクやヒッピー、トルコ人やアラブ系移民の物乞いはいますが、ホームレスコミュニティーは目立つほど巨大ではありません。

確かにベルリンでも存在してはいるのですが、銀行や地下鉄の駅の入り口、観光客が多い通りにぽつぽつといるくらいです。綺麗なジャケットに身を包んでいる物乞いもいて、追い込まれたようなデスパレート感がベルリンのホームレスからはいまいち伝わってこないのです。職や家を失っても国の保護があるので路上に寝泊まりをするまでに至らないようです。職業支援や生活保護の制度があるので実際にホームレスになる「機会」が他のヨーロッパ諸国に比べても少ないのでしょう。

ホームレスになったらなったでホームレス収容施があります。彼等は他のホームレスと一緒に施設に詰め込まれるのを嫌いますが、社会復帰のためにはそれが良いのです。そこでは仕事を紹介し、ホームレス生活から抜け出すチャンスを与えてくれるので、彼等にとって施設に宿泊することは社会復帰のための第一歩なのです。

また気温がマイナスを下回る冬のベルリンではホームレスが命を落とす前に彼等を「回収」して緊急宿泊施設に収容します。冬に道ばたで凍えるホームレスを見かけたら、市民はそれを見逃さずこういった機関に通報をするのです。冬のベルリンでホームレスをするのは実際的にハードです。日本のように暖かな24時間営業の施設などもありません。

ドイツはヨーロッパいちの経済大国とはいえど、失業者の数も相当で所得格差も実際にはあります。ホームレスの数もそれに左右されるので、サポートは手厚いといえど今後もしかしたらさらに増えて行くかもしれません。

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ライタープロフィール

MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。