イギリスってどんな所?
イギリスに長期滞在したそまちひろさんがイギリスについて紹介します。

音楽好きにはたまらない、60年代〜00年代イギリス音楽の旅

2016/01/07

イギリスと聞いて、ハイティーやバッキンガム宮殿での衛兵交代を思い浮かべる人は、古きよきイギリスの姿を見に、イギリスへ旅行することでしょう。

でも音楽好きの人には、イギリスはロックとパンクとポップの聖地。60年代のイギリスロックが好きな人は、伝説的な存在のビートルズゆかりの地、リヴァプールや、ビートルズがレコーディングしたロンドンのスタジオ、かの有名な「ビートルズの横断歩道」などを巡るツアーに参加すると楽しいかもしれません。

70年代のパンクロックブームの立役者だったセックス・ピストルズも、未だに根強い人気がありますよね。彼らがエリザベス女王のジュビリー(戴冠記念式典)に合わせて、テムズ川上のゲリラ船上ライブで「女王よ、あんたに未来はない」と過激な歌詞の曲「ノーフューチャー」を歌い、逮捕された事件はあまりにも有名。

80年代に活躍した伝説的バンド、ザ・スミスに入れあげている人もいるかもしれません。ボーカルのモリッシーが書いた、イギリス人らしい皮肉とユーモアと自虐に溢れた知的な歌詞は、当時の若者を熱狂させ、現在も根強いファンが大勢います。5年間しか活動しなかったバンドですが、今でも最もイギリスらしいバンドのひとつとして名前が挙がります。

90年代は、いわゆるブリット・ポップの時代。オアシスとブラーというバンドが2大バンドとして君臨した時期です。北部の大都市マンチェスターで結成され、ストレートで無骨なロックを歌うオアシスと、ロンドン近郊出身で、中産階級のけだるさをポップなメロディに載せてふりまくブラーは、両極端。CDの売上げやライブの観客動員など、あらゆる面で競い合い、マスコミを通してお互いを牽制しあうなど、話題を振りまきました。

00年代の人気者、コールドプレイもイギリス出身のバンド。メンバーの親が全員教師ということで、歌詞も曲も何となくお行儀のいい感じがしますが、クセのない感じが全世界で受けたのか、デビューアルバムの「パラシューツ」(2000)からして世界で1000万枚近くを売上げ、2008年の「美しき生命」は全世界で3000万枚の大ヒット。押しも押されもしないイギリスの代表的バンドとなりました。

年代ごとに様々なムーヴメントが作られるUKミュージックシーン。今後も大注目です。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。