イギリスってどんな所?
イギリスに長期滞在したそまちひろさんがイギリスについて紹介します。

イギリス人とユーモア

2015/11/18

イギリス生まれの彼氏。アジアや中南米を旅しているときに仲良くなったイギリス人たち。彼ら全員にはひとつの共通点があります。それは、皮肉や自虐的ユーモアが面白いこと。

「お国柄なんて幻想だ、ひとりひとり違う個人なんだから」という意見もありますが、ことユーモアに関しては、イギリス人の感覚は一環しています。相手を直接的に攻撃するのではなく、ユーモアにくるんでピリっとした笑いをとる皮肉。また自分をあからさまに貶めるのではなく、失敗談や惨めさも笑いに変えてしまう自虐。見習いたいな〜といつも思いますが、こればかりはセンスなので、勉強してどうにかなるものでもないんですよね。

例えばボリビアで出会った、67歳のイギリス人女性。歳からは考えられないほど元気で、長距離バスでどこでも行ってしまう人。たださすがに疲れが出たのか、1週間ほどお腹を下して大変そうにしていたときがありました。

久しぶりに会ったときに、中華料理が食べたいというので一緒にレストランへ。会ってすぐ痩せたね、と言うと、「痩せたいって長いこと思ってたから、今回お腹を下して痩せられて良かった」と自虐的に言っていました。

久しぶりのまともな食事を楽しみにしていた彼女でしたが、彼女が頼んだ牛肉の炒め物は辛すぎて、彼女はほとんど食べられませんでした。彼女は肩をすくめて笑いながら「もっと痩せなさいって店の人は思ってるのよ」。

店の料理に文句を言うでもなく、きれいに自虐ユーモアにしてしまっているところに感心しきり。

アルゼンチンで出会った別のイギリス人女性の場合。自転車でワイナリーを巡っているとき、酔っ払って自転車から落ちてしまい、手のひらと肘から流血。そのときシンガポール人のカップルと一緒で、彼らがあまりにも心配するので、「気付けにもう一杯ワイン持ってきて、そうしたら大丈夫」と冗談を言ったら、まったく受けなかったどころか「こんなときに何言ってるんだ」という目で見られたそう。

こうしてみると、イギリス人のユーモアは、場の空気を悪くしないための気遣いでもあるんですね。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。