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ボヘミアンな空気漂うコヨアカン
2017/08/28
ブルーハウス
フリーダ・カーロというメキシコ人画家をご存知でしょうか? 第二次大戦前後に活躍したフリーダは、18歳のときのバス事故が原因で重傷を負い、後遺症に生涯苦しみながらも、数々の傑作を残した女性です。何年か前にハリウッドで彼女の人生が映画化されていますので、興味がある人はその映画「フリーダ」を見てみるといいでしょう。
フリーダの生家で、終の棲家ともなった家がメキシコシティの南、コヨアカンという閑静な住宅街地区にあります。今は真っ青なその外観からブルーハウス(スペイン語ではカサ・アスル)と呼ばれるこの家には、毎日世界中から多くの観光客が訪れ、土日には長い行列ができるほどです。
フリーダが住んでいた当時の佇まいをそのまま保存してあり、キッチンやアトリエには実際に当時使われていた道具がそのまま並んでいます。また、彼女が絵を書くときに使った、天蓋に鏡の付いたベッドは、横たわりながらも自画像を描きたいという執念のようなものが見えて、感慨深いものがありました。
フリーダハウスは、地下鉄コヨアカン駅から南に歩いて15分ほどです。地下鉄出口を出てすぐのところにある陸橋を越え、「Museo Frida」という青い案内板に従っていけば、迷うことはないと思います。
また、コヨアカンにはメキシコのトップクラスの大学が立ち並んでいます。学生が多い町にはもちろん、安い食堂がたくさんあります。特にコヨアカンから10分ほどの通りプエンテ・ホコ通りには、お昼の定食が50ペソ(約400円)ほどで食べられる食堂が並んでいます。
プエンテ・ホコの隣には巨大なアート系映画上映施設「シネテカ」があります。ここでは常時10本ほどの世界各国のインディペンデント映画が上映されており、40ペソ(約320円)で最新映画を見ることができます。
コヨアカンの少し東にあるサン・アンヘル地区でのマーケットも欠かせない見所です。工芸品や民芸品、若いアーティストの斬新な作品まで、様々なアート作品を買えるこのマーケットは、土日に開かれています。
若いエネルギーとアートな空気が融合した雰囲気に惹かれて、多くのアーティストが住むことでも知られるコヨアカン。ただぶらぶら歩くだけでも楽しめる地域です。
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そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。