フィリピン語学留学(英語)・小学&中学編
「フィリピン小学校の豆知識」「義務教育について」「日本とフィリピン・教育の違い」「必要な手続き」などフィリピン語学留学・小学&中学編を紹介します。

日本とフィリピン・教育の違い

2012/11/09

日本とフィリピンの教育では授業の内容、取り組み方、方針、そして文化的な側面からも違いがあります。私が感じたフィリピンの教育に就いて書きたいと思います。フィリピンでは、学校に行きたくない子供は通学しないでも構いません。日本のように、居住区域を管轄する教育委員会よりの通知などありませんし入学も進級も自己申請主義になっています。

私たちが暮らす集落には、小学校に行っていない子供たちが沢山います。母親に「何で子供を小学校に行かせないんだ?」問いただしたら「え!だって行きたくないって言うから・・・」と答えが返ってきます。子供に話をすると「学校に行きたいけど、お金がないから・・」と暗い顔をします。

以前に学費や文具、制服、そして1年分の通学費を援助した子供がいます。両親が自宅を訪れて「サラマット、マラミサラマット」と感謝していました。数週間後の昼下がり、支援した子供が学校に行かず遊んでいます。「学校はどうしたんだ?」と聞いたら「ボールペンとノートと靴を買うお金がない」と言います。子供の自宅に行き「勉強に必要なお金は渡してあげたろう?」と言ったら父親がコソコソと逃げていきます。子供に支援したお金を闘鶏のギャンブルで使い果たしたそうです。仕方がなくボールペンとノートと靴を買い与えて渡しました。

数週間すると、また子供が学校に行かず遊んでいます。「おい、どうして学校に行かないんだ?」と聞いたら「勉強が判らない!」と答えてきました。お金がなくて学校に行けない子、勉強が判らなくて学校に行けない子、色々いるのです。使用する教科書や授業内容も様々で、学校により天と地ほどの開きがあります。

パブリックでは授業の進行が遅く、教科書の途中までで修業してしまいます。これでは数学や国語、科学や歴史など、系統的な学習ができません。それでも試験で平均点が取れるように、教科書の初めの方だけで問題を作ります。

プライベートでは毎月の学習指導書が配布され教科の進み具合によって、時間延長や土日の学習、夏休みの短縮などを実行しています。学年の成績トップテンは各期末ごとに表彰されています。全科目90点以上の生徒はビップクラスに編入され、少数精鋭の特別扱いになります。

フィリピンには落第制度があるので、成績主義と言えるかもしれません。日本のように平均的な偏差値を求める事はなく全学生の1%と言われるトップクラスの人材だけが、貧困から超エリートに転身できるのです。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。