車椅子の旅行を楽しむ方法
「車椅子で旅しよう」「宿泊先の選び方」「レストランの選び方」「バリアフリーについて」など車椅子の旅行を楽しむ方法を紹介します。

誘うなら最後までエスコートして

2015/10/23

母が長年参加していた元仕事仲間の集まりを脱退しました。理由は「あんまり居心地が良くないから。」

何年も前から月に1回お食事会をしたり、年末に温泉に泊まって忘年会をしていたのですが、聞けば主催者はバリアフリーではない、階段があちらこちらにある古い旅館を選んだり、車椅子でとりに行くのは大変なのに食べ放題のレストランを予約したりしていたそうです。主催者側に悪気はないのでしょうけれど、どんどん不愉快な気持ちが募って行ったようです。

障害者は家に引きこもりがちではありますが、だからといって健常者は軽率な気持ちで誘ってはいけないと思います。障害者が不便や孤独を感じていないかちゃんとケアできないのなら、「おもてなし」は失敗です。身体障害者が出先で楽しい気分になるには、様々な条件がそろわなくてはいけないのです。本人から文句を言うのも気が重いのでしょう。皆合意しているのに「自分ひとりのために、お店を変えてくれ。」なんて誰も言いたくありません。

しかし「完璧な接待」が必要なわけではありませんよ。そんなこと期待している人なんていないでしょう。お誘いがあるのは誰しも嬉しい事です。「最低限ここは考慮してくれても良いのではないか?」と思わせてしまうような内容の企画だと誘うのは失礼だと言っているだけです。どんなことが嫌なのかわからないのなら、ひとこと今回の「旅行先」「宿泊先」「食事処」に問題はないか、不安はないか聞いてくれても良いと思います。

もともとそんなにこだわりのない人なので、今回の脱退にはよっぽどの理由があったのでしょう。母が気に入っているのは幼なじみ4人組の集まりです。小学校の頃からの大親友達だそうです。毎年1回はその4人で旅行に出かけます。少人数だし、母が行ける場所を選んでくれるし、気心知れているからわがままも言えるので、このメンバーでの旅行はとても楽しみにしています。時には母が企画を任されるそうで「大変だ〜!」なんて言いながらも、楽しそうです。信頼関係があるメンバーとの旅行は、たとえ不便があってもわくわく、どきどきして楽しいのでしょう。

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ライタープロフィール

MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。