車椅子の旅行を楽しむ方法
「車椅子で旅しよう」「宿泊先の選び方」「レストランの選び方」「バリアフリーについて」など車椅子の旅行を楽しむ方法を紹介します。

車椅子で旅しよう!

2015/10/07

私の母は病気で足が不自由です。壁を伝って歩けますが、支えがないとバランスを崩しやすいので外出をする時には車椅子を使います。「頑張れば歩ける」そういった状態なので、電動車椅子ではなく、車に積むのにも便利な手動の車椅子を使用しています。

車椅子生活になってからしばらく経ちます。母は車椅子での旅行も何度も経験しました。ある時は幼なじみ3人で、またある時は娘の私と2人で、さらには「障がい者の旅行を企画している団体」の旅行に参加して韓国や香港まで1人で行ってしまいます。そんなアクティブな母なのであります。

そんな母でも、最初の頃はすべてが初めてで情報がなく「車椅子での旅行なんて無理ではないか...。」と思っていました。しかし病院で出会った人達からいろいろ聞いたり、私がインターネットで色々と調べてあげて、外に出れるようになりました。新幹線の利用も1人でもお手の物です。車椅子で1人で外に出るなんて、最初は誰だって怖いものです。

今ではすっかり旅慣れした母。辛口のクレーマーでもあります。「この国はまだまだバリアフリーがなっていない...。」「海外はもっと進んでいるでしょ?」とよく言っています。やはり今まで気付かなかったことでも、車椅子を使用するようになって不便を感じるようです。段差があったり、意味のない見せかけのバリアフリーがある公共の施設にはケチをつけています。

例えばエレベーターの手前に数段の階段などがあったら、意味のないバリアフリー認定です。車椅子でエレベーターまでどうやってたどり着けというのでしょうか。バリアフリーを目指すなら、建物のある敷地の入り口から出口まで、急激な坂道や大きな段差、階段、幅の狭い道、砂利道、土の道などは一切あってはなりません。手漕ぎでもゆるやかな坂道や小さな段差は超えて行けますが、極端なものだと1人で進んでいくのは無理です。介助者が必要になります。

「相手の立場になって考える」というのは難しいことです。だからこそ身体障害者がどのように快適に外出ができるのか、よく考えなければなりません。日本にはまだまだ古い街が残っています。それは良い事でもあり、完璧なバリアフリーを望むのは難しいです。だからといって身体障害者は引きこもっていろということでしょうか?いいえ、工夫次第で、いくらでも外を楽しむ事ができます。そのコツをお伝えしていきたいと思います。

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ライタープロフィール

MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。