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「ボリビア・ラパス」「高山病に効く、ボリビアのコカ茶」「ラパスの街でエスニック料理」「ボリビア旅行のときに注意したいこと」などを紹介します。

400年前、世界の中心だった銀鉱の町・ポトシ

2017/02/23

中南米は16世紀から17世紀にかけて、シルバーラッシュに湧きました。中でもボリビアのポトシは、その豊富な銀鉱脈が発見されるやいなや目ざといヨーロッパの商人たちがこぞって駆けつけ、「世界の富が集まる場所」とまで呼ばれました。その当時は南米の中心地と言えばポトシ、というくらいに栄えたそうです。

しかし18世紀に入り銀のインフレがおき、その価値が急激に下がると、町は急速にすたれていきました。現在のポトシには、植民地時代の南欧風の街並みが残ってはいるものの、繁栄を極めた往時の面影はなく、寂しい町という印象があります。

町にはあちこちにシンボルである左右対称の銀山の絵が飾られています。銀山はビルヘンと呼ばれる、女性の聖人に擬人化された状態で描かれていることが多く、興味深かったです。

ここでのメインアクティビティーは、なんと言っても銀鉱ツアーでしょう。実はポトシの銀山は、現在も少量ながら銀を産出し続けており、坑夫が働く現場を見られるツアーが人気です。狭い危険な坑道を通り抜けていくツアーなので、足腰にまずまず自信がある人向けです。

わたしが参加したツアーではまず、ポトシの町と銀山の間にある市場に連れて行かれました。ここで坑夫へのお土産を買うようにうながされます。お土産は、彼らが炭鉱で働くときに始終噛んでいるコカの葉や、お菓子、煙草などです。義務ではないのですが、お土産を買っていかないと坑夫からの印象が悪くなるようなので、気持ちだけでも買うことをおすすめします。

銀鉱に着くとライト付ヘルメットやライフジャケットなどの装備を渡されるので装着します。暗くて狭くて足もとが悪い中、結構上り坂になったところなどがあって大変でした。実際に鉱脈に沿って、手作業で掘り進んでいる現場は、観光で見学しているのが申し訳なくなるくらいきつそうでした。

それでも、自分のまったく知らない世界をのぞいてみるのは貴重な経験だと思います。ポトシに行ったら是非ツアーに参加してみてください。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。