世界で唯一!黒魔術師が棲む島 シキホール島
フィリピン中部ヴィサヤ諸島の南部にあるシキホール島を紹介します。

シキホール島の魅力

2012/09/10

シキホール島には、観光地やアミューズメント施設がある訳でもなく、ビーチリゾートが散在するだけの島です。島内を散策しても殆ど観光客を見かける事がありませんし、見かける欧米人は居住者です。しかし、一度シキホール島を訪れた人達は必ず戻ってくるという、不思議な魅力を秘めた島でもあります。

まるでパウダースノウのような白い砂浜が広がり、湧き水かと思うような透明感あふれる海水。膝まで海に入れば小魚が群れて泳ぎ回り、紫ウニや馬糞ウニが密集し、海ぶどうの海草がユラユラと波間に揺れています。青や赤やオレンジ色の珊瑚礁は、太陽の光の屈折で微妙に色合いを変えていきます。ちょっと沖に目線を移せば、エメラルドグリーンの海が180度広がって見えます。

シキホールにはダイビングスポットとして有名な場所もあり、セブ島からバンカーボートでダイバーもやって来ます。子供の背が立つ深さでも、スノーケルで充分海の楽しさと生き物達に出会う事ができます。

小高い山が背骨のように連なる山岳地帯は、手付かずの原生林が保護され総天然色の野鳥を観察する事ができます。バードウォッチの愛好家が訪れ、そのまま住み着いてしまうほどの美しい鳥達です。

至る所に岩清水が湧き出て、静かな渓流が豊かな原生林を作り出しています。南国特有の甘い香りを放つ花々が一年を通して咲き乱れ、数十種類の珍しい蝶々に出会う事もできます。シキホールの自然は島全体を蛍の光で輝かせる言い伝えがあり、人間の手垢に汚れる事無く保護されているのです。

人間の手垢に汚れていないのは、シキホール島に住む島民たちも同じです。黒魔術師が棲むと恐れられ、他の島の民族と接触する事が少なく、スペイン統治時代から変らないホスピタリーを持っています。観光客も滅多に来ない事から心が擦れていません。

子供達は人なつっこく人見知りをしません。天使のような瞳と微笑みで接してくれるのです。見知らぬ子供でも膝の上に座ってきたり、寄りかかって居眠りを始める子供もいます。

パンツを履いている子、パンツも履いていない子、素足の子供が圧倒的に多く元気いっぱいです。一緒にいるだけで沢山元気を貰う事ができます。

何の観光も産業もない替わりに、自然と一体になった生活と、ゆったりとした時間の流れを堪能する事ができます。シキホール島の魅力は、現代人が忘れてしまった、心の故里にあるのかも知れませんね。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。