プロが教える歌唱法
カラオケを上達したい人必見!感情移入方法、目線を使う表現方法、感情のバランス方法、歌にメリハリを付ける方法などプロが教える歌唱法を紹介します。

抑揚を付ける方法

2013/01/20

カラオケファンの人に「抑揚ってなんですか?」と良く聞かれる事があります。抑揚は音程の上がり下がりではなく、「歌詞のフレーズごとに感じる心の揺れ」と説明しています。心が揺れるとメロディーも共鳴して自然と揺れが入ってきますが、強弱ではありません。例えば、子供に何か言い聞かせる時「いいですか 判りましたね 間違いも3度までです」と、同じ口調で言っても伝わりが悪くなります。

「いいですか」を優しく問いかけ、「判りましたね」で念を押し、「間違いも3度までです」と語気を強めれば、もっとハッキリ伝える事ができます。

「ゆらゆらゆらと漁火ゆれて♪」と言う歌詞であれば、「ゆらゆらゆら」は自然と発音しても揺れを感じる事ができます。

「はらはらはらと忘れ雪♪」の「はらはらはら」も揺れが自然とでます。しかし、これでは擬音だけが揺れと勘違いしてしまいます。抑揚は歌唱の持つ「押しと引きの影響」を強く受けるのです。

歌唱の押しと引きとは、一体どういう意味があるのでしょうか?押しとは、訴えたり、切望したりする、訴求力の歌唱法です。引きとは、自分自身に問いかけたり、言い聞かせたりする歌唱法です。つまり、押しは外に向かって訴えかけ、引きは自分の内側に訴えかけます。簡単な例を挙げると「あなた〜」と声を発して伸ばせば、自然と押しになります。何故ならば呼びかけになるからですね。

「ねえ あなた・・」と優しく声を発すれば、「ねえ」は少し押しになりますが、「あなた」を優しくすると少し引きになります。

「わたしから あなたに贈る 最後のラブソング♪」と言う歌詞ならば、「わたしから」引き、あなたに贈る」押し、「最後のラブソング」引いて押す事が考えられます。

抑揚は強弱ではありませんが、「フレーズを切る事無く、滑らかな強弱を付けて歌う」と、定義している場合もあります。私は「フレーズを切る事無く、滑らかな押しと引きを用いて歌う」と定義しています。

南の島の浜辺で昼寝をしていると、波の音が心地良く響いてきます。波の音が心地良いと感じるのは、波の押しと引きが醸し出す自然の抑揚なのです。メロディーのフレーズも波長という波の一種です。歌っている自分自身が心地良いと感じる「心の揺れを感じながら」抑揚を練習しましょう。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。