プロが教える歌唱法
カラオケを上達したい人必見!感情移入方法、目線を使う表現方法、感情のバランス方法、歌にメリハリを付ける方法などプロが教える歌唱法を紹介します。

感情移入方法

2013/01/15

カラオケファンの方は、恥ずかしさと緊張で歌に表情や感情を乗せにくくしています。先ずは、肩の力を抜いてリラックスし、歌う時は自分が主役だと思う事が大切です。歌に感情が入っていないと、歌詞を朗読しているような歌い方になってしまいます。歌詞には、普段は恥ずかしくて言えないような言葉も多く、感情移入を躊躇ってしまう場合が多いのです。

作詞家は、心の中で思っても口に出せない言葉を、歌う事で相手に伝える事ができると信じています。イタリアのカンツォーネ、フランスのシャンソン、ジャズのブルースも歌う事で言葉を伝えるのです。

歌は言葉が発達する前のコミュニケーションとして用いられてきました。喜びや悲しみ、憂いや嘆きを声で表現していたのです。喜びには「うれしい!ありがとう!感謝!大好き!」などがあります。しかし「うれしい!」と言っても、何がうれしいのか? 何でうれしいのか? 誰に対してうれしいのか?が判りません。薔薇の花1本だけど うれしい♪ ならば、薔薇の花をくれる男性の顔が見えてきます。1日遅れのクリスマス 薔薇の花1本だけど 涙がでるほどうれしい♪ ならば背景も目に映ってきます。

感情移入は、ピンポイントの「うれしい」だけでなく、1日遅れのクリスマス(ちょっと寂しい気持ち)、薔薇の花1本だけど(サプライズな気分)、涙がでるほどうれしい(感極まる思い)と繋がっているのです。

プロ歌手の感情移入は、ステージで頭を下げ顔を上げた時には感情移入が終わっています。頭を下げた時からイントロが始り、歌の主人公に成りきるまで頭は上げてきません。

歌のイントロは、ストーリーを表現して感情移入しやすく仕上がっています。また、メロディーの間にはオブリガードという、感情を移入しやすいメロディーが付けられています。

感情移入する練習方法は「声を出さない無声歌唱」で行います。つまり、歌詞のひとつひとつと流れを意識しながら、感情だけを身体で表現する練習方法です。「わたし」ならば自分を指差し、「あなた」ならば誰かを想像して指をさします。「凍えるような氷雨が、髪を濡らす街角」ならば、「凍える」で両肩を抱え、「氷雨」で空を仰ぎ、「髪を濡らす」で髪を優しく撫でてみます。

仕草だけでなく、顔の表情を作りながら、声を出さずに「歌う事」が重要なポイントです。カラオケをかけながら立ち鏡の前が最適ですが、他の人が見ると奇妙に映ります。私も一人で練習して、気が付いたら後ろに娘が立っていました。お猿のお尻より顔が真っ赤になりました。練習する場合は、なるべく独りの時に、誰もいない事を確認してから行ないましょう♪

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。