プロが教える歌唱法
カラオケを上達したい人必見!感情移入方法、目線を使う表現方法、感情のバランス方法、歌にメリハリを付ける方法などプロが教える歌唱法を紹介します。

目線を使う表現方法

2013/01/17

昔から「目は口ほどにものを言う」と言われています。目つきで、怒っているか、泣いているか、喜んでいるか、嘘をついているのか判ります。目線によって、親しみを込めていたり、疑っていたり、愛していたり、甘えていたり、嫉妬していたりも判ります。

目線の距離が30センチならば夫婦か恋人でしょう。距離が1メートルならば、恋人未満友達以上かもしれません。遠くを見つめるような目線ならば、昔を思い出しているか、望郷の念を抱いているか、会いたい人の事を思っているのか等、想像する事ができます。また、目線によって声の大きさや響き、そして浸透性に影響を与えてくれます。抱きあって目線が近ければ、生理的にも大きな声は出せません。遠くの人に呼びかける場合は、大きくて良く響き透る声になります。

プロの歌手が歌っている時の姿を思い出してみましょう。目が虚ろになって視線が定まっていない場合があります。ステージで歌っている歌手の目には、聴衆や会場の姿ではなく、歌の情景が瞼に映し出されているのです。

歌詞には登場人物がいます。本人と相手の二人が基本ですが、もう一人登場すると話が絡まってきます。登場人物が二人の場合は、相手が傍にいるのか?遠くなのか?何処にいるのか判らないのか?によって目線は変ってきます。

「ねえ 今夜はあんたと二人 徳利たおして深な酒♪」と言う歌詞ならば、目の前に男性の顔が映るような目線が必要になります。

「ああ 今夜は子猫と二人 あんた恋しい花一もんめ♪」と言う歌詞ならば、子猫との近い目線から、次第に遠くを見つめる目線へと変化させていきます。

目線は訴求力を左右します。サビやロングトーンでは、目線を遠くに持って行くと声が良く伸びて響きます。「お酒が心に沁みる夜は、恋しいあんたに 会いたいよう♪」という歌詞ならば、近く、ちょっと離れて、次第に遠くで、ホップ、ステップ、ジャンプの訴求力になります。

目線を遠くにしながら、自分の方に引き寄せると、諦めや傷心、未練などを表現する事ができます。「お酒が心に沁みる夜は、恋しいあんたに 会いたいよう♪」という同じ歌詞を、遠く、やや近く、かなり近くと、逆の目線にすると「会いたいよう♪」が、会いたいけど会えないよう、刹那いねえ・・に変化していきます。

好きな歌手のビデオやテレビで、歌詞と目線の関係を意識して見ると勉強になりますよ。歌は、三分間のドラマですね♪

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。