プロが教える歌唱法
カラオケを上達したい人必見!感情移入方法、目線を使う表現方法、感情のバランス方法、歌にメリハリを付ける方法などプロが教える歌唱法を紹介します。

顔の表情を使う方法

2013/01/16

カラオケファンの方や初心者、そしてステップアップしたい上級者の方でも、簡単にできる歌の表現方法があります。それは、顔面の筋肉を意識的に使った歌唱表現法です。

赤ちゃんが泣く時は、顔を真っ赤にしながらクチャクチャになった顔で泣いています。笑う時は、顔の肌が突っ張るくらい満面の笑みを浮かべて、キャッキャッキャッと笑ってくれます。生まれたばかりの赤ちゃんは言葉を話せないので、顔の表現と声の響きだけでお母さんに伝えているのです。

人間は成長し言葉が話せるようになると、その分顔の感情表現が薄れていきます。社会にでると職場での協調性を重要視し、人前で喜怒哀楽を抑制する事も多くなっていきます。日本人は感情を表面にだす事が少なく、外国人から見ると何を考えているのか判断に困る場合もあるそうです。

歌には喜怒哀楽があり、歌詞の情感と歌唱の情感が重なり合う事で訴求力が生まれてきます。顔の筋肉を意識的に使う事で、声の響きを変化させる事もできるのです。鏡の前で怒った顔をして見ましょう。そして「ねんねん ころりよ おころりよ」と子守唄を歌ってみましょう。怒った顔が優しい顔に戻らないように、しっかりと顔で怒りの表情を作りキープしながら歌います。

どうでしょうか?赤ちゃんが怖がって泣き出しそうな子守唄になりましたか?

次に満面の笑みを浮かべて、子守唄を歌ってみましょう。どうでしょうか?声が不自然に明るすぎませんか?

泣いた顔を作って子守唄を歌ってみましょう。どうでしょうか?赤ちゃんも一緒に泣き出しそうな子守唄になりましたか?

人間の顔の筋肉は、感情にあわせた声を作り出す為に動いているのです。顔に緊張感を持たせる事で、口の形や声帯の形が微妙に変化します。

あ〜〜っと長く発声しながら、鏡の前で怒り顔、笑い顔、泣き顔に変化させてください。
あ〜〜の声が微妙に、顔の筋肉の動きにより変化する事に気が付くはずです。

3本の色鉛筆を用意して、歌詞の下にアンダーバーを引いてみましょう。黒は嘆き、赤は怒り、緑は笑い、普通は無印でも構いません。アンダーバーに添って顔に表情を作りながら歌を練習します。顔の表情はパッパッっと替えるのではなく、次の表情へと滑らかに替えていきます。

歌に表情を作るのは子音ではなく、長く伸ばす母音になります。母音は「アイウエオ」しかありません。同じ「ア」でも喜怒哀楽を表わさなければなりません。また、喜怒哀楽にも強さと深さがあります。

あ!(危ない)あ!(思い出した)あ!(出会い)あ〜あ(失敗)あ〜あ(諦め)あ〜あ(嘆き)あ〜あ(残念)あ〜(諌め)あ〜(吐息)など、母音の表現力を高めると歌が更に楽しくなってきますよ♪

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。