初めての作詞入門 上級編
「エコー効果」「心理描写を活かす」「逆表現法」「間の為の凝縮」「目線と歌詞の関係」など初めての作詞入門 上級編を紹介します。

倒置法

2013/03/24

作詞でよく用いられる手法に倒置法があります。倒置法とは、文章を並び替えて語気を強める効果があります。

例 日常会話
早く起きてください
起きてください 早く
「早く起きてください」は優しい響きがあります。
「起きてください 早く」は、ちょっと命令的で「早く」に語気を感じさせます。

早く寝なさい 明日卒業式でしょう
明日卒業式でしょう 早くねなさい
「早く寝なさい 明日卒業式でしょう」は、気を使っている優しさを感じます。
「明日卒業式でしょう 早く寝なさい」は、早く寝なきゃダメじゃないのと言う注意を感じます。

例 歌詞
北の最果て竜飛岬に みぞれ交じりの雪が降る
みぞれ交じりの雪が降る 北の最果て竜飛岬に

「北の最果て竜飛岬に みぞれ交じりの雪が降る」では後半の「みぞれ交じりの雪が降る」が強く、
「みぞれ交じりの雪が降る 北の最果て竜飛岬に」では「北の最果て竜飛岬に」が強くなります。

風が変わりました もうすぐ秋ですね
西日のさす窓の下には コスモスが咲いてます

「もうすぐ秋ですね 風が変わりました
コスモスが咲いています 西日のさす窓の下に」 (は)は省略できます。

行ごと倒置する方法もあります。
風が変わりました もうすぐ秋ですね
西日のさす窓の下には コスモスが咲いてます

「西日のさす窓の下には コスモスが咲いてます
風が変わりました もうすぐ秋ですね」となります。

倒置法を使う時に注意する事は、歌詞の流れを損なわない事が大切です。
歌詞の流れがしっくり行かない時は、倒置法を使ってチェックする事もできます。

フレーズの前後を入れ替えても意味が通じれば流れが良く、通じなければ流れが悪いのです。
「風が変わりました もうすぐ秋ですね」を入れ替えると、
「もうすぐ秋ですね 風が変わりました」で意味が通じます。
「西日のさす窓の下には コスモスが咲いてます」を入れ替えると
「コスモスが咲いています 西日のさす窓の下に」で意味が通じます。

「風が変わりました 西日のさす窓の下」を入れ替えると
「西日のさす窓の下 風が変わりました」で意味が通じず、作詞が間違っているのです。

歌詞が完成したら、倒置法も試してみてください。良い方向に推敲できる場合もありますよ♪


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。