- 英語翻訳のアルバイト体験記
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翻訳の失敗談
2012/05/07
翻訳 ギリセーフ
翻訳のアルバイトしていた頃、海外雑誌を日本語に直すという内容で、特にチェックが厳しいわけでもなく、けっこういいかげんにやっていました。指定された雑誌や記事をちょちょいと訳して、それを担当の人間に渡すわけです。
訳をしながらいつも思っていたのは、「こんなもの自分で訳せよ」という思い。訳をすることでお金をもらっていたのだけれど、翻訳は実際にやると非常にめんどくさい。頭の中では訳がそれとなくできるんです。ただ、それを文に起こすとなるとちゃんとした文にしなかればならないし、またパソコンを一文一文打たないといけないわけです。だいたい、アルバイトを雇ってまで誰かに訳させる意味も分かりませんでした。その記事を必要としている人間が自分で英語を読めばコストもかからないし、きっと時間だって相当に短縮できるわけです。だから訳をしながら頭の中ではその会社の人間をバカにしていました。「こんな英文も読めないのか」と。
そうなると、仕事も雑になります。直訳はめんどくさいので、相当意訳が入り、言い回しがめんどうであれば丸々その部分をはしょったりしてました。ええ、どうせばれないんです、周りは英語が読めないので。
そんな矢先、担当の者に呼ばれたことがありました。話を聞くと、「英文の長さに対して、君の訳文が短いんだけど」とのこと。一瞬しまったと思いました。適当にごまかしごまかし訳してたのがばれたのかな、と。ただ、よくよく考えてみれば内容を熟読されて訳のごまかしを指摘されたわけではない、つまり、100%ばれていない。今になって思えばとても不誠実な姿勢で仕事をしていたわけで、反省するところは多々あります。しかし、当時は仕事の大切さとか、面白さとか、真面目さだとか、そんなものより楽してお金という浅はかな学生の知恵の中で物事を進めていたので、「失敗したな」というより、「ごまかせそうでよかったな」という考えが優先されたのは恥ずかしいかぎりです。
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横浜ホームズさん/男性/年齢:30代/横浜在住、福岡から横浜に来てはや10数年。もはや博多っ子と浜っ子の境を見失う30男。美しいものが好き。だけど醜いものはもっと好き。人生、味がある方がいいよね。