英語翻訳のアルバイト体験記
「翻訳をするときのコツ」「翻訳をして楽しかったこと」「失敗談」など翻訳のアルバイト体験記を紹介します。

機械の翻訳と人間の翻訳との違い

2012/04/19

翻訳アルバイト
英語の苦手な生徒が、「学校から英作の宿題が出されたので手伝ってください」とわたしのところへやってきました。どうやら英語のスピーチの原稿のようで、確かにその子にとっては荷が重い。それでいろいろと手伝ってみたのですが、どうやらこの手の宿題はそのときが初めてではないとのこと。本当に英語が苦手な子なので、気になって「今までどうしてたんだ?」と訊ねてみました。するとその生徒が言うわけです。

「ネットの翻訳サイトで作った」と。

それまで、翻訳サイトの存在は知っていたんですが、使ったことはありませんでした。それでこの際とばかりに実際に翻訳サイトを試しに利用してみたのですが、う〜ん、万能じゃないみたいですね。むしろ、まだまだ実用的とは言い難い。

まず感じたのが、日本語の言い回しや曖昧さがうまく反映されないということ。たとえば日本語ではよく主語を省略することがありますが、対訳欄に主語なしの日本語文を入れると、見事に意図しない英訳が出てきます。それと、品詞の問題。日本語も英語も、単語によっては語尾を変えるだけで品詞が変わることがありますが、その辺もやっぱり意図したようには訳されにくいようです。それに、文の途中途中に修飾語を入れたり、無駄に長い文章を入れても、コンピューターが混乱するようで、まったくひどい英文が出てきます。

ある程度英語を学んだ人間なら簡単に「この英文はおかしい」と気づくのでしょうが、中学生くらいだと、出てきた英文をそのまま鵜呑みにしてしまうのでしょう。わたしのその生徒も、楽な方法を見つけたという気持ちで学校の宿題をやって提出したり発表したりしていたのでしょうが、残念ながら、見事に見破られていたのだろうと思います。

子どもの宿題であれば、苦労してでも辞書を引きながら自分で考えろ、というのが本音。しかし、仮にもっと実用的になるのであれば、どうぞパソコンに頑張ってもらいたい。こうやって人間はバカになっていくのだろうと思いながら、それでも楽したい今日この頃です。

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ライタープロフィール

横浜ホームズさん/男性/年齢:30代/横浜在住、福岡から横浜に来てはや10数年。もはや博多っ子と浜っ子の境を見失う30男。美しいものが好き。だけど醜いものはもっと好き。人生、味がある方がいいよね。