英語翻訳のアルバイト体験記
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翻訳に求められる英語力

2012/04/22

「英語が得意」という方は世の中にたくさんいると思います。ただ、その実はといえばけっこう多種多様なようで、例えば英語のテストができるというレベルから、実際に英語でコミュニケーションがとれるレベルまで、「英語が得意」という文脈によって様々に形を変えるのだと思います。かくいうわたしはといえば、英語はそれなりに得意です。ただ、得意とは断言できません。それはわたしが身を置いている社会が求める英語力に自分の力が足りていないからです。

数年前以来、縁あって翻訳の仕事をしているのですが、やる前は、けっこう簡単に考えていたんです。学生の頃より英語が得意で、試験などで苦労したこともそうはありませんでした。しかし、実際に翻訳の仕事を初めて感じたことは、「英語力のなさ」でした。

翻訳で必要とされる英語力とは、単に文法力があるとか、語彙力があるとか、そういう一般的な英語の知識ではないような気がします。もちろん、そのような知識は最低限度持ち合わせてないといけないものでしょう。まさか翻訳をしながら文法書や辞書をこまめに調べながらというわけにはいきませんので。ただ、文法や語彙が十分だからといって翻訳ができるわけではありません。いわゆる学校の英語の授業でやったような直訳での対訳ならきっとそれでいいのでしょう。しかし、翻訳の場合は、その英文が持つニュアンスや隠れている世界観、バックグラウンドなどを理解したうえで、自然な日本語になるよう訳する必要があります。言うなれば意訳です。だからといって、まるっきり違う文に意訳するわけにもいきません。

訳の対象になる英文の種類はそれこそ様々でしょう。英文の小説から新聞記事、雑誌記事、学術書まで、その内容は多種多様です。訳をするのなら、対象ごとに、細かい予備知識を頭に入れておかなければならない。実は、その点が文法だったり語彙力だったり、そういった一般的な英語力よりも大事になります。ですので、これから翻訳を目指すのであれば、英語力の向上の一環として、自分の興味のある分野を徹底的に掘り下げていく作業をまずはおすすめします。

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ライタープロフィール

横浜ホームズさん/男性/年齢:30代/横浜在住、福岡から横浜に来てはや10数年。もはや博多っ子と浜っ子の境を見失う30男。美しいものが好き。だけど醜いものはもっと好き。人生、味がある方がいいよね。