初めての作詞入門 中級編
「ツーハーフ作品の創作」「デュエット作品の創作」「男歌の書き方」「女歌の書き方」「歌詞のタメに就いて」など初めての作詞入門 中級編を紹介します。

女歌の書き方

2013/02/26

歌謡曲の世界では女歌が圧倒的に多く、男性が歌っても違和感の無い仕上がりになっています。女歌を作詞する作家は男性が殆どで、女性は1割ほどしかおりません。女歌は男歌と違って、創作にいくつかの注意点があります。

女歌の歌詞は、男性が書く事により「理想的な女性像」を描いています。苦労や辛さに耐えて、家族と夫に尽くし、優しさと包容力があり、時には娼婦のように、時には母親のように等々、女性から見れば少し現実離れしているようにも見えます。

女歌の詩を書くコツは
1、男性の目線で作詞する
2、女性の目線で作詞する
3、女言葉を極力使用しない

男性の目線で作詞するとは私は男性から見た女性の情景や情感を基に、作詞する場合があります。バンドやピアノの弾き語りが長く、ホステスの表の顔と裏の顔を見てきたからです。

表ではどんなに辛い事や悔しい事があっても笑みを浮かべ、裏では悔し涙を流しながら嗚咽(おえつ)しているのです。

一般の方では判らない、夜働く女性の本性を垣間見る事で、独自の作詞スタイルを修得しました。嘘が嘘でなく、真実もまた真実ではないのです。虚と実が入り乱れて、女性の深層心理は微妙に揺れ動いているのです。

歌になりそうなモチーフ(女性)を見つけたらジックリと観察します。ストーカーではありませんが、時には「作詞をしているんだけど、心境を話してくれる?」と本人に直接訊ねた事もあります。

女性の目線で作詞するとは心を女性に変え女性になりきって作詞する方法です。女性になりきるとは、化粧をしてワンピースを着ることではありません。私には、過去に付き合った3人の女性がモチーフとして心に棲んでいます。

気の強くわがままだった洋子。
優しく包容力があったナナ。
何処と無く気弱で傍にいなけりゃと思わせた優子。

テーマが決まったら、三人のうち誰をモチーフにするか決めます。そして、陽子ならば、こういう時にどんな態度をとり、そんな仕草をするか連想します。つまり、テーマやタイトルが違っても、主役を演じるのは三人の内の誰かになります。

女言葉を極力使わないとは女歌を書こうとすると、初心者は女言葉を多用してしまいます。どんなに女性に成り切ろうとしても、男が女言葉を使えば「オカマの歌詞」になるのです。

女言葉を使わずに女歌を創作するには「仕草や心情」を描写する事で解消されます。男性の作詞家も作曲家も、女歌ばかりに神経を集中していると、日常生活でも女言葉を使い出し、仕草も女っぽくなってしまいます。

作詞の時間と日常生活をしっかり区別して、オネエ言葉にならないよう注意しましょう♪


森田一夫音楽クリニック
関連記事
ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。