初めての作詞入門 中級編
「ツーハーフ作品の創作」「デュエット作品の創作」「男歌の書き方」「女歌の書き方」「歌詞のタメに就いて」など初めての作詞入門 中級編を紹介します。

一番、二番、三番の構成

2013/02/15

作詞をはじめて、やっと1番が完成した時に、ふと悩んでしまう事があります。作詞には1番だけでなく、2番、3番の創作があるのです。

基本的な各番手の構成は
1番 現在進行中の事を書く
2番 過去の事を思い出すように書く
3番 将来への思いを書く


1番の現在進行中の事を書くとは
今いるロケーションや主人公の心情、そして相手の心情や現状を主体に書き表します。


沖に群れ飛ぶ鴎さえ→海の傍にいる事と漁師町だという事がわかります。
日暮れにゃ港へ帰るのに→さらに港にいて相手の帰りを待っている情景がわかります。
  飛沫に晒した凍てつく肌を→相手が漁師で漁場にいる事がわかります。
温めてあげるよ 飛んで来い→主人公の思いが込められています。
あんたは わたしの恋しい鴎→主人公の思いが込められています。
酔いどれ女の港唄→酔いどれと言う表現で、港の居酒屋か小料理屋のイメージを受けます。

1番の歌詞は、物語の始まりですから、テーマの全体像が見えるように心がけましょう。
初対面で話をする時には、名前を告げて挨拶をし、現在の職業や生活の事を話すと思います。初対面で、昔は何をやっていました、昔は何処に住んでいましたならば、それで今は?と言う事になってしまいます。

2番の過去を思い出すように書くとは知り合った頃の事や、何故好きになってしまったか、そして思いを表現します。注意しなければいけないことは、現在進行形の立場で昔を振り返る事です。


白い鴎を染め抜いた
暖簾よお前も寂しかろ→主人公が港でお店をやっている事と相手が来ない事の思いがあります。
酔って潰れた私の肩に
そっと上着をかけるから→現在進行形にみえますが、相手がいないので過去の事になります。
あんたの情けが情けが沁みた→相手を意識しだした頃の話になります。
酔いどれ女の港唄

2番の歌詞は、過去形ではなく過去進行形になります。初対面で挨拶と自己紹介をした後の、昔話や思い出話になります。

3番の将来への思いを書くとはこの先、主人公は相手とどうなりたいのか?どんな夢や望みがあるのかを書きます。


暖簾おろして店じまい→待ち焦がれていた時間経過があります。
裏木戸あけて会いに来い→店を閉めても裏木戸を開ける女心を表現しました。
ひとりぼっちじゃ心が寒い
寂しい女に誰がした→相手に対する訴求を持たせています。
あんたは私の私の命→絆を信じて運命を共にしたと言う望みを表わしています。
酔いどれ女の港唄

3番の歌詞は、夢や望みを書き表す事で締めくくる事ができます。

作詞は3分間で3幕ある、人生のドラマなんですね♪


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。