ニュージーランで教えられてこと
ニュージーランド滞在(16年以上)の山下さんがニュージーランドで教えられたことを紹介します。

ニュージーランド人の記憶力!?

2011/06/03

ニュージーランドの人は自分に不都合なことは見事に削除していける生物のようです。「これは合わない」とか「この人とはやっていけない」と感じると、自分の生活の中から切り離すことができるんですね。いさぎよいというか。いつまでも気にしたり、こだわり続ける人はあまり見かけません。

もちろん、その場で猛烈に攻撃的になったり爆発することはあるようですが、何年も根に持ち続けるということはないようです。だから、計画的に恨みを晴らすなんて技はないのでしょう、たぶん。「くそう、いつかやってやる!」とか考えている内に、「何だっけ?まあいいか」となってしまうようですね、見ていると。転換が早いのかもしれません。

あるいは、記憶力に関係しているのかも。こっちの人は結構物を忘れてしまいます。伝えた先から「何だっけ」ということもよくあります。それに、過去のこともよほどのインパクトがない限り、抜け落ちてしまうようです。

そのせいかどうか、学校でも記憶重視の詰め込み型教育はしていないようです。記憶ではなく、思考のほうを重視しているようです。つまり、「覚えろ」ではなく「考えろ」という感じ?

たとえば「かけ算の九九」なんて、日本人のわたしにしてみれば、まさに画期的で今でももちろん覚えているし日常的にも使っているものです。だけど、こちらにはそんなものはなく、たとえ作っても、きっと誰も覚えることができないのでしょう。先生も根をあげてしまいそう・・・。視角から学ぼうということはしているようで、かけ算の表はあるにはありますが。こっちの人の計算の遅さは九九を知らないせいなんでしょうが、脳の構造(使い方)が違うんでしょうね、きっと。

ただ、複雑な人生を生き抜くためには、記憶力のよさは必ずしもよいとはいえないのかもしれません。「何だっけ」、「まぁいいか」的な考え方のほうが幸福になれることもあるのかもしれませんね。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。