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パナマ・ビエホで大航海時代のロマンを感じる
2017/08/17
パナマには旧市街と新市街、そしてパナマ・ビエホという3つの顔があります。旧市街はカスコ・ビエホと呼ばれ、コロニアル調のきれいな建物を生かし、おしゃれなカフェやレストラン、土産物屋などが並んでいます。新市街は活気溢れるビジネス・ショッピングの中心。そしてパナマ・ビエホは、スペイン人が初めて入植してきた16世紀初頭に建設された、大航海時代の香りを残す歴史地区です。
本当にあった笑い話なのですが、パナマのガイドブックも何も持っていなかったわたしは、耳から聞いた情報だけでパナマ・ビエホを旧市街だと思い込み、見学に行って情報との差にびっくりした覚えがあります。皆が皆、「旧市街はおしゃれだよ、美味しいものがあるよ」と言うのに、実際にパナマ・ビエホにあるのは崩れかかった遺跡だけなのですから(笑) ホステルに帰って「全然イメージと違った」という話を人としていて、その勘違いが判明しました。
という小話はともかく、パナマ・ビエホはパナマ・シティの東にあり、古い港を見わたす場所に広がっています。新市街から市バスでアクセスする場合、いったんアルブルックまで行って、パナマ・ビエホ方面行きのバスに乗り換える必要があります。15分ほど走ると両側遺跡群がちらほら見えてくるので、注意深く右手を見ておき、塔のようなものが見えたらそこで下りてください。そこがパナマ・ビエホの入り口です。わたしは塔を見逃して、なんだか寂しい景色だなーと思っているうちに、だいぶ入り口を通りすぎてしまい戻るハメになりました。
パナマ・ビエホは16世紀初頭から17世紀後半まで、中南米とヨーロッパを結ぶ貿易の拠点として栄えました。宗教的な施設が多いのが特徴で、33メートルもの高さがある大聖堂の鐘楼には実際に登り、港を挟んで新市街を見わたすことができます。
33メートルもの高さがある大聖堂の鐘楼
新市街を見わたすことができます
しかし残念ながら、大聖堂の他には原型を留めている建物はほとんどありません。というのも、パナマ・ビエホは1671年にイギリスの海賊団に襲われ、火を付けられたために、当時の建物はほとんど焼け落ちてしまったからです。一説には、町は4週間以上も燃え続けたとか。その後パナマ・ビエホは海賊の脅威を避けるために見捨てられ、10キロほど離れた地域に新しい町が建設されました。それがカスコ・ビエホです。
しかしどこに何があったか、どんなエピソードがどこで生まれたか聞くのはとても興味深いと思うので、余裕があれば是非ガイドを付けて回ってみるといいと思います。現地にいるガイドはたまに英語ができる人がいるくらいなので、日本語でガイドが聞きたいという場合は、事前に旅行会社に相談してみましょう。
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そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。