初めての作詞入門 特別編
「ご当地ソングの作り方」「アンサーソングの作り方」「替え歌作詞法」「歌詞の続き作詞法」「作曲を依頼する方法」「編曲を依頼する方法」「CD&DVDを作る方法」など初めての作詞入門 特別編を紹介します。

歌詞の続き作詞法

2013/04/18

歌詞の続き作詞法とは、タイトル通り3番までの作品ならば「4番5番6番」を書く作詞法です。ロケーションや状況設定、そして登場人物の設定を継承する事ができます。昔の話ですが、大物作詞家と大物作曲家、プロデューサーによるセミナーに参加しました。受講者は200名ほどで、講習は4時間に及びました。終了後に2次会があり、半分の100名ほどが参加し、3次会では30名ほどが残りました。4次会、5次会まで私はついていきましたが、最後は新宿のレトロなお店でした。最終的に残ったのは、作詞家と作曲家、そしてプロデューサー、受講生の私だけです。新宿の花園神社から近い、ゴールデン街という芸術家が集まる場所でした。大物作詞家の先生と酒を酌み交わしながら話をした時に「君は歌詞を何番まで書きますか?」聞かれました。私は突然の質問に戸惑いながら「歌詞は3番まで書きます」と答えると「私は短くても10番、長ければ18番まで書きますよ」と言われたのです。そんなに長い歌詞は使えないし、音楽は1作品5分以内と規定されています。暫く悩み続け、この作詞家の作品を分析して意味が判ったのです。

ヒットした作品を年代別に並べてみると、歌詞に関連性があるのです。男船→兄弟船→大漁船→祝い船など、ロケーションや登場人物、状況設定に変化がありません。つまり、1作品を提供してヒットすれば、同じ路線で立て続けにヒットを狙える作詞法です。

歌詞の続き作詞法のセオリー
1、作詞者のフィーリングにあった作品を選ぶ
2、元作品の題材とモチーフを継承する
3、タイトルと内容を変化させる

「作詞者のフィーリングにあった作品を選ぶ」とは職業やロケーション、状況設定、そして主人公に共感する作品。または、作詞者の愛唱歌でも構いません。

仮に現在ヒットしている作品を元にするならばヒットするまでの2年先か3年先を見つめてデフォルメしなければなりません。

「元作品の題材とモチーフを継承する」とは元作品のロケーション、ストーリー、人物設定を継承しながら作詞する事です。

男船ならば、漁師としての心意気や海の荒々しさ、そして船が唯一の命綱です。兄弟船ならば、上記の設定に兄弟というコンセプトを取り入れただけです。大漁船は、大漁に感謝し、海の恵みに感謝する共通テーマです。祝い船は、大漁旗をなびかせ人生と掛け合わせたテーマになっています。

「タイトルと内容を変化させる」とは同じタイトルは基本的に使いません。男船が元作品ならば、男船、大漁男船、兄弟絆船、人生大漁祝い節などに展開できます。内容も、タイトルの変化と共に展開していきましょう。

ちなみに、私の好きな「大阪で生まれた女」の歌詞は30番位まであります。CDやカラオケでは5分以内の制約がありますが、ステージに制約はありません。ライブで聴いた時は「大阪で生まれた女」1作品で1時間掛かりました。


森田一夫音楽クリニック
関連記事
ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。