初めての作詞入門 特別編
「ご当地ソングの作り方」「アンサーソングの作り方」「替え歌作詞法」「歌詞の続き作詞法」「作曲を依頼する方法」「編曲を依頼する方法」「CD&DVDを作る方法」など初めての作詞入門 特別編を紹介します。

ご当地ソングの作り方

2013/04/07

ご当地ソングは、一番身近なテーマで親近感があり、長く歌い継がれるメリットもあります。CDやDVDを大量に作る必要も無く、地元のメディアでも取り上げやすい作品です。ご当地ソングには、地元の自然・名産・名物・史跡・歴史・文化などをテーマにできます。私の故里福岡県の久留米を例に挙げると・・・

池町川=市内の繁華街に流れる一級河川水系で、柳が植えられ風情があります。筑後川=筑後地方の大河で多くの恵みを与えてくれます。高良山=高良大社は1600年以上の歴史を持つ九州一の大社で市民の信仰対象になっています。久留米祭り=久留米水の祭典やイルミネーション、そして総踊りが有名です。水天宮=筑後川沿いに佇む、全国水天宮の総本山です。船小屋温泉=市内から気軽に行ける庶民的な温泉地です柳川=柳川藩主の別邸として作られた御花と川下りで有名です。

他にも城下町、からくり儀衛門、花火、ソロバン踊りなど、とんこつラーメン等、地域色豊かなテーマがあります。ご当地ソングは、地場産業の紹介や地域の活性化にも一役買う事ができます。各校区や町内会ごとに祭りや祭事があり、始めは小さな範囲で作品をつくり。徐々に範囲を広げていくと作りやすいです。私の仕事場と生活エリアは、久留米市の社交街が中心で、繁華街を流れる池町川と夜働く女性をテーマにした、ご当地ソングが最初の作品でした。

池町川情話 詞曲編 森田一夫

夜の六ツ門 裏通り
女涙の捨て所
夢が刹那い 池町川は
涙色した女川
酔うほどに ああ 酔うほどに
思い出します 捨てた恋

わるい人でも 私には
心許せる 人でした
拗ねて甘えた 池町川は
酒場おんなの絆川
もう一度 ああ もう一度
この身焦がして 溺れたい

想いひとすじ 恋心
追えば未練の手酌さけ
夜が流れる 池町川は
情け通わすネオン川
酔うほどに ああ 酔うほどに
紅が泣きます 逢いたいと

ご当地ソングのコツは、1番の出だしで地域色を出す事です。「六ツ門」は繁華街の地名で、「お!これって地元の歌?」と印象付けられます。歌詞で共通しているのは「池町川」で、同じフレーズに3回使用しています。

この作品は、20年以上のロングヒット(地元だけ)になり、現在でも有線放送やカラオケ大会で使用され、地元歌手の「立花かおり」と、台湾の歌姫「謝宛君」が歌っています。ご当地ソングは、アマチュアの作品でも浸透しやすく、思わぬヒットに繋がる事もあります。


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。