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ニカラグアの美容院で起こった悲劇
2017/07/04
外国で髪を切るというのは勇気がいるものです。特に発展途上国にいるときは、仕上がりがどんな風になるのか予想もつきません。さらにアジア人は太くてしっかりした髪質の人が多く(わたしも例外にもれません)、細く柔らかい髪質を切るのに慣れた外国の美容師には難しいそうです。
わたしの髪質は太くてコシがあり、若干クセ毛です。そのためほうっておくと爆発しがちなので、日本にいるときは定期的にストレートパーマをかけていました。ラテンアメリカに来てからは、ボリビアで一度ストレートパーマをかけてみました。それから半年経って、またクセが出てきてしまったので、今度はニカラグアのグラナダでストレートパーマをかけてみることに。
グラナダの町の商店街の一角にある美容院を見つけ、設備がちゃんとしているように見えたのでそこに決めました。カットとストレートパーマで、20ドルほどだったと思います。ストレート用の薬剤が髪に塗られ、保温して待つこと30分ほど。薬剤を塗る前にトリートメントを付けなかったのが気になりましたが、日本じゃないんだから、と自分に言い聞かせてスルーしました。薬剤を洗い流し、カットをしてもらい、ドライヤーで乾かして、仕上がりは悪くありませんでした。
しかし、悲劇は早速次の日にやってきました。髪の毛を洗っているときに、どうにも髪がきしんで指が通らないのです。乾かすと、ストレートパーマをかける以前よりももっと爆発がひどくなっていました。
さらに髪の毛が非常に傷んでしまい、まるで人形のニセモノの髪の毛のような手触りに。毛根にもかなりダメージがあったのか、髪の毛を洗うたび、クシを入れるたびに異常な量の髪の毛が抜けるようになってしまいました。一時は本当にハゲが出来るのでは、と心配したほどです。
それはもういろんなトリートメントを試して、乾かす際もドライヤーは使わず、なるべくタオルで保温しながらの自然乾燥をするなど工夫をしました。それでも、髪質の回復にはたっぷり半年ほどかかりました。
それからというもの、怖くて美容院には一度も行っていません。日本に一時帰国する機会があれば、その際に美容院に行こうと、固く心に誓っています。
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そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。