ニカラグアってどんな所?
「サン・フアン・デル・スール 日帰りできるビーチ」「サン・フアン・デル・スール おすすめの宿」「古都、グラナダ」「ニカラグアで盗難に遭った経験」「ニカラグアの国内事情と、観光事情」「ニカラグアの美容院で起こった悲劇」などを紹介します。

たくましいグラナダの路上の商売人たち

2017/06/28

ストリートパフォーマー

ストリートパフォーマー

ニカラグアきっての観光都市グラナダには、レストランがずらりと並ぶ歩行者天国があり、毎晩多くの観光客で溢れています。食事中の観光客が落とすお金目当てに、たくさんのニカラグア人の物売りやストリートパフォーマーが歩行者天国を行ったり来たりしています。 大概は実にも害にもならないアクセサリーを売る大人たちなのですが、その中でおお、これは、と目を引く子供がいました。10歳くらいに見える彼は、革製のリストバンドを売りながら、同時にレストランのチラシを配っていたのです。一度にふたつの仕事をしようというのは気概と頭があるな、と感心したのを覚えています。彼は将来きっと大物になることでしょう。応援の気持ちで、革製のリストバンドをひとつ彼から買いました。 また、ギター1本の流しのおじさんも印象に残っています。食事中に近くでギターを弾き始めたので、聞くともなしに聞いていたのですが、これが哀愁があってなんとも言えないいい音色だったのです。背景がある曲なのか知りたかったので、チップ代わりにビールを買ってあげて、わたしたちのテーブルに招待しました。 おじさんによると、その曲は都会で働く田舎出身の人が、故郷を思うニカラグアの古い曲だそう。ちょっと演歌みたいですね。おじさんは自分の人生のこともいろいろ話してくれました。ニカラグア人のスペイン語は、スペイン人のスペイン語のように語尾のsやtが落ちるので聞き取るのが難しく、半分くらいしか理解できませんでしたが、妻と子に去られたり、大金を失ったりと、なかなか波乱万丈な人生のようでした(おそらく自業自得な部分も大きいのでしょうが 笑) おじさんは頼んでもいないのにそれから何曲も弾いてくれました。多分外国人に自分の身の上話を聞いてもらえたのが嬉しかったのでしょう。別れるときに、大目にチップを渡しました。 町の中心にあるプラザでハンモックを売るおじさんもなかなか楽しかったです。声をかけられ、でも長期旅行中だから運べないよ、と言うと、「でも畳めばこんなに小さくなるから!」と、あの手この手でハンモックを小さく畳む実演をしてくれました。結局買わなかったのですが、買う気がないと分かっていても楽しく会話をしようとする姿勢がとても素敵でした。 観光地で商売をする人はすれていると思いがちでしたが、グラナダの路上の商売人たちは自分の仕事を楽しむすべを心得ているようでした。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。