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ニカラグアで盗難に遭った経験
2017/06/16
グラナダに着いた初日、プラザの西側のラ・リベルタッド通り周辺にあるホステルのひとつに泊まりました。シングルルームが15ドルと、この町の基準からするとびっくりするくらい安かったためです。ホステル内部はきれいにペイントされ、一見ちゃんとした場所に見えました。
しかし夜はパティオでダンス教室がありうるさかったのと、何よりベッドに害虫がおり、夜かゆさで目が覚めるほどだったので、1泊で逃げるようにチェックアウト。はす向かいにあった、同じくバックパッカー向けのホステルにチェックインしました。
自分の南京錠がかけられるタイプのドアであれば、必ず自分の南京錠を使うのですが、ここではドアノブに鍵を差し込むタイプのドアでした。うっかりしていたのが、大金の入った財布を入れたバックパックのポケットをロックしていなかったことです。そして盗難が日常茶飯事の国で、これは致命的でした。
こちらでもシングルルームをゲットし、ほっと一息ついてシャワーを浴びて、スタッフとしばらく雑談しました。そして食事をしに外に出て、1時間ほどで帰ってきました。持ち歩くためのお金が少なくなっていたので、バックパックのポケットの財布から補充しようと中を見ると、明らかにドル札が大量に減っているのです。実に20ドル札で5枚、100ドルなくなっていました。
勘違いするような金額ではないので、明らかに盗まれたのです。合鍵を持っているスタッフが盗んだに違いないのですが、難しいのは前日の違うホステルで盗まれたのか、移った先のホステルで盗まれたのかの判断がつかなかったこと。それでも、発覚したホステルで報告するのが普通なので、受付のスタッフに訴えました。しかしスタッフは「君の勘違いだろう」の一点張り。警察に行くと言うと、「誰も得しないから、行かない方がいい」と必死で止められました。余計に怪しいです。
結局ツーリストポリスに行き、経緯を説明して、一旦宿に戻って待つように言われ、待つこと3時間。やっと警察が来て宿のスタッフに事情聴取をし、写真をちょっと撮って、「じゃ」という感じで帰ろうとしたので、「前日泊まっていたホテルにも行かないと、どちらで盗られたか分からない」と引き留めると、「こっちは忙しいんだよ! そんなの付き合ってられない」と一蹴され、腹立たしいことこの上なし。
しかも宿のスタッフは本当に警察を呼んだわたしにものすごく起こっており、返金するから出て行ってくれと言われ、追い出されました。散々な体験でしたが、どんなところに行っても必ず施錠するのを忘れなくなり、それ以降盗難に遭ったことはありません。高いレッスン料金だったと思うことにしています。
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そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。