ラオスってどんな所?
ラオス旅行したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

ラオスのナショナルビール、ビアラオで乾杯!

2015/11/05

ナショナルビール、ビアラオ

ナショナルビール、ビアラオ

タイやベトナムなどの周辺国に比べて観光客が少なく、大きな見所がたくさんあるわけでもないので、やや地味な印象があるラオス。しかし東南アジアイチという呼び声が高いラオス産の製品があります。それはビール。

タイのシンハービールや、ベトナムの333(バーバーバー)などは日本でも比較的簡単に飲めることから、知名度が高いですよね。でもラオスの代表的ビール、ビアラオは、製造開始が1973年とかなり新しいビールで、まだまだマイナーな印象があります。

けれどビアラオは、ドイツやベルギーといったファーストクラスのビール生産国の支援を受けて誕生した、本格派のビール。2009年にはアメリカのタイム誌が、アジアのベストビールと紹介するまでに成長しました。

東南アジアのビールといえば、蒸し暑い気候に合わせて、ごくごくと飲めるライトなものが主流。好みの問題もあるとは思うのですが、ビール好きが「美味しいな〜」と味わって飲むタイプのビールではありません。反対にビアラオは、ホップや麦芽の香りがきちんと香り、ほんのり甘いお米の風味がアフターテイストに残る、味わって飲めるビールなのです。

ビアラオのもうひとつの大きな特徴は、黒ビールがあるということ。東南アジアのビールで黒ビールなんて聞いたこともなかったので、初めて飲むときは「黒ビールって言ってるけど、まったく別物なのでは……」と半信半疑でした。ところがびっくり、鉄分の苦味と、かすかなチョコレートフレーバーのあるしっかりした黒ビールで、とても美味しく飲めました。さすが、ビール先進国のドイツとベルギーからスパルタ教育(?)を受けただけあります。

黒ビールは本来であればあまり冷やさず、常温に近い温度で飲む方が香りが立っていいと言われますが、暑い土地柄ビアラオ・ダークもキンキンに冷えていることが多いです。それすらも計算済みなのか、冷えていてもしっかりとしたフレーバーが味わえるのだから、本当に美味しいビールなのだと思います。

最近では国外への輸出も増え、日本でもインターネット通販で手に入るようになったビアラオ。でもできれば、ラオスののんびりした風景の中で味わってほしい一品です。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。