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仙台/「賊にはあらず」〜片倉小十郎の白石城で〜
2010/05/08
15年ほど前でしょうか、仙台在住の友人からの電話に、私は思わず(関係者には失礼ながら)笑っちまったのでありました。彼女いわく、白石城が「立体ハイビジョンシアター」と、そのコンテンツをつくった。そのタイトルが、『賊にはあらず』。
「いまどき、賊って(笑)。気にしてんのかなぁ、いまだに」
白石城は、いまやゲームキャラクターとして、「歴女」の方々に人気を集めている片倉小十郎家(仙台藩家老)代々のお城です。
さて、その「賊」ですが――。戊辰戦争の折、会津藩と庄内藩の「朝敵」の汚名をそそぐべく、東北各藩による「奥羽越列藩同盟」が白石城で結ばれ、その他の経緯もあって、いわゆる「官軍」(新政府軍、ざっくりいって薩長軍)と対立することとなり、東北各藩は以後「朝敵」――朝廷にそむいた者、国賊、逆賊、賊軍とされてしまったのです。
戊辰戦争・明治維新から130年もたって、いまさら「賊」でもないだろうというのが、私が吹き出してしまったわけなのですが。
さて、その数年後、友人と仙台で再会し、「あの宮古湾海戦は、惜しかったねぇ」(何が惜しかったのか、それはまたいずれ)なんぞといいながら、宮城県内のあちこちを回って、白石城も訪れました。
有名俳優も出演する『賊にはあらず』は、なかなかの力作です。90年の「大阪・花博」以後、続々と地方の観光施設に設置されたそのテの「シアター」には、すぐに飽きられてしまうようなものもあったのですが。
「賊」とされた人々は、明治維新後、いかに辛酸をなめさせられたか。しかし、彼らは、薩長の非道なやり方に立ち上がったのであって、朝廷に刃向かったわけではない。したがって「賊」ではない――というのが、東北に限らず、「賊」側の言い分です。
そうした思いはいまだに続いているらしく、大河ドラマで『新選組!』が放送されたころ、隊士の子孫のお集まりでも、「新選組は賊ではない」ウンヌンの話が出たと、これはそのメンバーのおひとりにうかがった人からのまた聞きですが。
なお、『賊にはあらず』は、現在でも白石城の歴史探訪ミュージアムで公開されているそうです。片倉小十郎の面影を求めて白石城を訪れる「歴女」のお嬢さんたちも、戦国時代から260年後のお話ですが、ぜひご覧になってくださいね。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。