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フランス/「それは私の仕事ではありません」〜おフランスでのショッピング
2010/08/20
フォーブル・サン・トノレあたりのブランドでお買物なさる方には、もはや常識以前のことかもしれません。しかし、別に高級ブティックでなくても、そのへんの商店街でハムやパンを買うときにも、「え、どういうこと?」と、とまどうシーンがあります。
ハムの注文を受けて、ハムの目方を測り、ハムを包んだ店員にお金を払おうとしても、品物はもらえません。客は、店員から商品と代金を走り書きしたメモを受け取り、CAISSE(発音はよくわかりません。要するにキャッシャーです)で代金を支払い、その受け取りを持って、店員にもとに引き返し、晴れて品物が受け取れるという仕組みです。
しかし、全部が全部この仕組みだというわけではなく、小さな店では、日本と同じシステムを取っていることもあるし、かと思えば、ハムを包んだ店員がお金を受け取ってしまい、あとは知らん顔を決め込む――ということもありえるのです。抗議したところで、どうせ言葉の通じない、まして行きづりの観光客。「そちらのカン違いでしょう?」で終わりです。
あるいは、店員がふたりいて、ひとりはハムを包む係、もうひとりは目方を測って、代金の計算をする係。ところが、測る係がトイレにでも行っているのか、姿が見えない。もどってくるまで待たされます。「なんで、あんたが測ってくれないの?」と包む係の顔を見る。答えはわかっています。「それは私の仕事ではありません」。
あるいはまた、日本では、「閉店時間」は「閉店する予定の時間」です。閉店時間ギリギリに店に飛び込んだ客も「いらっしゃいませ」と迎えます。しかしここでは、「閉店時間」は、あくまでも「閉店時間」。10分前には「明日のおこしをお待ちしております」と追い返されます。いや、「店を閉める時間」どころか、「スタッフの帰宅時間」と心得るべきか。この感覚は、むしろ日本人も見習うべきかも知れませんが。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。