- フランス面白話
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フランス/中もスゴイけど、建物だってものスゴイ〜ルーブルとオルセーの美術館で〜
2010/07/17
フランス語はまったくわからないし、フランスという国にそれほど興味があるわけでもないのに、ついフランスに行ってしまうのは、この国の美術館や教会の魅力には抗しがたいものがあるからです。とくにルーブルは、16世紀から19世紀にかけて改築・改装を繰り返された元王宮。その建物と内装までも――たとえば天井画にしても、展示品としての価値がある、時代、時代の建築様式の見本です。
まして、その収蔵品たるや……。
古代ギリシャ・ローマからオリエント、エジプト……ルネッサンスから近世まで、あるいは棺からダイヤモンドまで、世界中から買い込んだ、というより、略奪してきた、ありとあらゆる逸品ぞろい。どこに何があるのか、確認するだけでも、なかなかの大仕事です(これでも、入口にガラス製のピラミッドがなかったころにくらべれば、ずっとわかりやすくなったのだとか)。日本語のパンフレットも売っているけど、以前、ここで手にしたのは、「ルーブル」の文字が裏返しに(鏡に写したように)植字された珍品でした。
必ず、日本人のツアー客にも出会います。写真撮影はできるのですが、フラッシュは厳禁。そのフラッシュをたいて(マニュアル仕様にしておかない限り、そうなるはず)しまって、注意されているのは日本人か、おそらくはアメリカ人。モナ・リザとミロのヴィーナスだけ見て、急ぎ足で出ていくのも、日本人の団体さん。あんまり興味はないけれど、ツアーに組み込まれているから来ただけさ――なんですか。すぐそこに、泰西名画の数々がひかえているのに。
日本人観光客は、オルセー美術館のほうがお好みでしょうか。モネ・マネ・ルノアール・セザンヌ・ゴッホなどの、おなじみの印象派の作品が見られます。ただし、私の目当ては、収蔵品より、むしろこの建物。もとは駅だったのです。
夜、セーヌの対岸から見える、ライトアップしたオルセーは、思わずため息が出るほどの美しさ。いろんな意味で、「なんか、くやしい」景色です。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。