フランス面白話
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フランス/「イエス」さえも通じない?〜パリの下町のマルシェで〜

2010/06/06

フランス語は、カタコトの「カ」もできない。なのに、フランスに個人旅行で行くからには、せめてスタッフと英語でコミュニケーションがとれる、静かで治安のいい場所にある、それなりのホテルを予約します(といっても、同じクラスなら、ホテル代はイギリスより安いようです)。

そんなわけで、イギリスとフランスの往復には、コストのほうを優先させて、残念ながら飛行機を使い、いまだユーロスター(ドーバー海峡を結ぶ高速鉄道)の旅は実現していません。

いくつかの名詞(とくに食べ物)は知っているので、市場で食料を調達するぐらいのことはできます。もっとも、相手が何をいっているのかは、謎のまま。おそらく「これだけでいいですか?」とか、「切ったほうがいいですか?」と聞いているのでしょう。

そんなとき、こちらは客なのだから、悪いようにはしないだろうと、「ウィ」と答えることにしています(そして、それがハズレることは、まずありません)。が、その日の朝まではイギリスにいたので、つい「イエス」。

すると、相手は「何をいっているのかわからない」という顔です。はじめは、「ウソだろう」と思っていました。「いくらフランス人は母国語に誇りを持ってるからって、イエスぐらいは知ってるはずだ」と。しかし、買物の順番を待っていたおじさんが、「この中国人(おそらく)は、ウィといっているんだよ」と店員に説明してくれて、店員もそれで納得。

店員とおじさんに、「メルシー」といって去ろうとしたら、おじさんが、「モンペ・スキ・クワ」的なフランス語で、何か答えてくれました。「マドモアゼル」しかわからないけど、でも、マドモアゼルだなんて、ちょっとウレシイ。

いやいや、ヨーロッパでは、人を若者扱いするのは、かえって失礼なのだ――と、気がつきました。カフェのギャルソンにも、「ムッシュー」と呼びかけるのが昨今の風潮。あれは、「ねーちゃん」だったのか、それともフランスの、みのもんた氏だったのか。

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ライタープロフィール

オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。