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イギリス/「3食が朝食だったらいい」〜イギリスの食べ物事情〜
2010/07/11
ヨーロッパにおいて、「大航海時代」とは、スパイスの獲得競争であったなどといわれます。しかし、いったい、イギリス人は、スパイスやハーブというものをどう心得ているのか、はなはだ疑問に思うことがあります。
ロンドンなら、フランス料理、イタリア料理、インド料理、中華料理、日本料理(アタリ・ハズレはありますが、回転寿司も)、あるいはスーパー、デパ地下等々、「まともな」食事には困りません。が、地方に行くと、それがなかなか難しい。パブ(ないし、宿屋も兼ねる「イン」)で食事をとなれば、まぁ無難なのはサンドイッチ。しかし、シチュー類、あるいはイギリス名物「ステーキ&キドニーパイ」も、経験してみなくてはと思います。
要するに、「煮込み」ですね。それも、素材の素性が知れないほど、「これでもか!」というほど煮込んであったりします。「カオス(混沌)」という単語を思い出します。まぁ、それはいいでしょう。食中毒の心配はなさそうです。しかし、日本のモツ煮込みのような、チープではあっても、老舗居酒屋の名物になりうるようなソレとは、あきらかに、素材へのアプローチしかたが違います。
肉や魚介類の「くさみを取ろう」という意思がないのか、あるいは「素材の持ち味を生かそう」というのか……。もちろん、ネギやショウガという、薬味になりうるものもなければ、柚子胡椒や唐辛子も用意されていない(とりあえずウスターソースをぶっかけるという方法はあります。概して、もとの味つけが薄めなので、耐えられます)。
彼らの家庭では、おおむね1週間に1度だけ食料品の買物をし、かたまりの肉をローストする。その残りをサンドイッチや何かの料理に使い、最後の最後、「もうアブナイ」となったときに、あの煮込みをつくるのではないか。したがって、防腐剤としてのスパイスが必要なのである――と、某料理研究家の本にありました。たしかにそうかも知れません。
「イギリスでは3食が朝食だったらいいのに」といわれます。ロンドンのホテルは「朝食はパンとコーヒーだけ」も多いのですが、地方のホテルや「民宿」B&B(べッド&ブレック・ファースト)に行けば、カリカリのトーストに、ハムかベーコンと卵料理、野菜のグリル、場合によってはニシンの燻製などもチョイスできて、シリアル、フルーツ、ヨーグルト……。このラインナップをそのまま、せめてランチ・タイムにも用意してくれれば、イギリスはもっと居心地がいい国なのにと思うのです。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。