- イギリス面白話
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イギリス/「あら、店をまちがえたのかしら」〜ある種のパブで〜
2010/06/14
なぜか、日本の「パブ」は、キレイなおねえさんが水割りをつくってくれたり、カラオケのデュエットをしてくれたりするそうですが、イギリスのパブは、日本でいえば立ち飲み屋。1杯ずつお金を払う前金制です。
どんな田舎町にもパブがあり、王さまの顔や動物、聖人、紋章などのレトロで特徴的な絵看板が出ているので、すぐにパブだとわかります。イチゲンの観光客にも、とくに親切でもないけれど、ぼったくりもしない。よほどのことがない限り、旅行者でも、ひとりでも、女性でも、アルコールが苦手な人でも安心して入れるのですが……。
この「よほどのこと」というのがクセモノで、見かけも店の名前も、ごくごくふつうのパブ、だが、しかしという店もあります。たとえば、ロンドンの繁華街にある一軒のパブをのぞいてみれば、お客はすべてオトコたち。それは、そのとき、たまたまそうだったのかもしれないけれど、でも何やらあやしげなふんいきがただよって……。「あら、店をまちがえたのかしら」って顔をして、すみやかに撤退します。
ここはどうやら、殿方どうしの出会いの場(地下に特別な小部屋があったりもするらしい)。もちろん、ご婦人どうしの出会いの場もあるのでしょう。その道のかた向けのガイドブックもあるようで、不倫同様、同性愛もまた、たいへんお盛んなお国柄です。武者修行においでになる日本男子も多いと聞きますし(モテるという噂の真偽のほどは存じません)。
ロンドンの北の郊外、ハムステッドは、日本人駐在員に人気の住宅街で、ハムステッド・ヒースという「昼間は」小さな子どもをつれたファミリーやカップルも訪れる、気持ちのいい森の中の公園があります。詩人や画家など、芸術家に愛された街で、彼らの眠る墓地も、デートスポット(イギリス人のカップルには「ロマンチック」なのでしょう)。
しかし、ハムステッドの丘は、木陰というか、藪というかがたくさんあるので、夜はいわゆるハッテン……いえ、つまり、同好のお歴々がお集まりになって、「商談」も活発にされるのだとか。したがって、その近辺のパブは「店をまちがえる」確率が上がるようです。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。