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奈良県/これも、あれも不思議だらけ〜飛鳥の石造物を訪ねる〜
2010/05/08
飛鳥の石造物、たとえば、亀石、酒船石、亀形水槽などといわれる「謎の遺跡群」は、飛鳥時代より古い、遅くとも5〜6世紀ぐらいのものなんでしょ――と、漠然と思っていました。飛鳥にあるとはいえ、高松塚古墳などとくらべると、あまりにも「わけのわからない」しろものなので。
それがどうやら、本当に飛鳥時代、あの天智天皇や中臣鎌足や蘇我入鹿もいた時代のものらしいと知って、ますます「?」がつのります。
天智天皇の母・皇極天皇(重祚して斉明天皇)は、よほど土木工事が好きなお方だったのか、いくつもの宮を築いては去り、あるいは失い、また築いていきました。その木材、あるいは石材運搬用の水路のあとが、次々に発掘されています。謎の遺跡群は、どうやらその水路と関係があるようです。
酒をつくったのか、薬を調合したのか、あるいはなんらかの占いの儀式に用いられたのか。宗教と関係があるのではという説もあります。でも、なんの宗教? 酒船石は破壊され、亀形水槽は土に埋められた形跡があるので、あるいは後世の人が、故意にその歴史を葬ろうとしたのかもしれません。
謎といえば、蘇我馬子(蘇我入鹿の祖父)の墓と伝えられる「石舞台古墳」も謎でしょう。陵墓の土饅頭をけずったあとの「むき出しの石室」という形です。そもそも、ここが蘇我馬子の墓とされたのは明治期で、「このあたりに蘇我馬子の屋敷があったから」と、かなりアバウトな認定のされ方でした。
なぜ、むき出しにされたのか。明治時代には、「蘇我氏の専横を憎んだ市民の手によって、破壊されたのだ」といった説明もされたようです。「恐れ多くも、天皇家に対し奉り、悪逆非道の数々を演じた国賊だったから」ってことですか。
法隆寺にしても、飛鳥の遺跡群にしても、『日本書記』は、なぜか多くを語ろうとはしないのです。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。