- 歴女の歴史を楽しむ旅
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奈良県/通行自由・拝観無料のおおらかさ〜奈良公園から興福寺、東大寺に〜
2010/05/07
近鉄奈良駅を降りて、10分も歩けば奈良公園。そのあたりをぶらぶらしていると、いつのまにか興福寺に入っていたり、東大寺の南大門をくぐっていたり。興福寺も東大寺も、春日大社だって、建造物の外観を見るだけなら、タダ。拝観料はいりません。こぢんまりした「お庭」をながめるのに500円、お茶室を拝見するのに300円――という、あのストレスがないだけでも、奈良はいごこちのいい街です。
シーズンオフの早朝、修学旅行生が押しかける前に、のんびりこのあたりを散策する、あるいはボーッとしたい。できれば前日から、あの奈良ホテル(明治末期に建てられた、ひのき造りの桃山建築様式風名門ホテル)に宿泊して。
なにしろ、フリーパスの公園なので、通勤・通学に急ぐ人が通りすぎたりします。そのすぐわきに、「国宝」やら「重文」やらがあるのですから、私のようなよそ者は、なんだか不思議な感覚に陥ります。
興福寺の境内などは、夜遅く、どこかで飲んだ帰り道だったりもするのでしょう。東京でたとえれば……いえ、たとえられるところがありません。浅草寺あたりとは、スケールが違うし、なによりこの緑。
もちろん、興福寺に行けば、国宝堂で待っている阿修羅に「会い」に行かないわけにはいきません。東大寺では、やっぱり大仏さんの前を素通りできないし、法華堂の観音像や日光・月光菩薩、戒壇堂の四天王にもあいさつしていかなければ。それにはチケットが必要だし、「開館時間」も決まっていますが。
見たい、失礼、「拝観」したいと思えば、数百円で、すぐに見られるのだから、奈良の街の人は、なんて贅沢なところに暮らしているのかと思います。
けれども、そんな感慨を持つのは、オトナになってからのこと。奈良・京都は、中学・高校の修学旅行の定番ですが、15、16のコドモにとっては、どこもたいていは、「あ、教科書で見たヤツ」で終わったような気がします。そして、おそらく、奈良の中高生のほうは、原宿や渋谷にいつでも行ける、東京の暮らしにあこがれている……。
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オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。