- 広東省ってどんな所?
- 中国在住のLiccaさんが驚きの広東省を紹介します。
華僑によって築き上げられた世界遺産
2011/01/26
望楼という建物(世界遺産)
望楼から見た景色
開平の街の様子
中国で35ヶ所目に世界遺産に登録された「開平(かいへい)の望楼群と村落」は、広東省広州市から約120キロ、車で約2時間、江門市開平県という所にある。こんな所に世界遺産が?!っと、思わせるような何とも田舎くさい街並みで、田や畑が広がる田園の中に所々に建っているものが目にはいってきた。それが、「望楼」という建物だ。
この望楼とは、簡単に言えば避難所のことで、敵や強盗の襲撃や洪水などの災害から避ける目的で建てられたもので、1番低い望楼で3階建て、1番高い望楼で9階建て、主流は4階建て〜6階建てのものが多く、中には壁の厚さが1メートルに達しているものもあるくらい、コンクリートで頑丈に造られています。
開平の望楼は、清の時代の初期である17世紀に造られるようになり、1920年から1930年代の20世紀当頭には最盛期を迎え、約3000棟あまりの望楼が建てられたという。さて、ここからが美しいお話なのですが、これらの望楼は誰の手によって作られたものでしょう?開平に住む村人の力では到底造れるものではありませんね〜
これは、華僑(かきょう:中国から海外へお金を稼ぎに出て移住する中国出身の人達のこと)らが開平(故郷)に建築したもので、故郷に残る家族や親族などの安全や財産を守るために造ろうと、外国で稼いだお金で、望楼の材料であるコンクリートや鉄の良質なものを輸入し、また、建設業で働いていた人は、西洋の建築のアイデアを持ち帰り、華僑みんなの力で築き上げられたものなんだそうです。
なので、何となく望楼が中国っぽくありませんよね?コンクリートのつくりは中国風なのに対し、特に最上階の屋上のつくりなんかは、西洋の建物を思わせるようなデザインで、上手く融合して造られた独特な建物となっています。
初め見た時は、正直言って、なんでこの望楼が世界(文化)遺産に登録されたのだろう?っと不思議だったのですが、「華僑が故郷に錦を飾る」といった背景の表れこそが世界遺産に認定されたことに繋がったのかもしれませんね。
開平の望楼群情報
住所:広東省江門市開平県塘口鎮
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Liccaさん/女性/年齢:30代/現在は中国在住/ワーキングホリデーで渡豪。価値観のないオーストラリアの魅力にとりつかれ、その2年後永住権取得。職場で出合ったオーストラリア人男性と結婚し、仕事・家庭・酒飲みに全力投球!いろんな事に挑戦することが好きな好奇心旺盛な三十代女性です。好きな言葉:「出合いのよろこび」