初めての作詞入門 初級編
「詩と詞の違い」「タイトルの決め方」「テーマの決め方」「ストーリーの決め方」「歌詞のサビに就いて」など初めての作詞入門を紹介します。

歌詞の結びに就いて

2013/02/13

歌詞の結びとは終わりではなく、余韻を持たせる事が必要です。作詞をはじめた方の中には、プッツリと切れたような結びを書く人が多いので注意しましょう。

結びの歌詞は、3つの要素を含んでいます。
1、サビで盛り上がった感情を少しずつ抑えていく。
2、歌詞のタイトルを織り込む
3、余韻を残し拍手を貰う

「サビで盛り上がった感情を少しずつ抑えていく」とは、「泣いた烏がもう笑った」と言われますが、泣いている状態から急に笑い出す事はできません。泣きから半べそにかわり、泣き笑いになって最後に笑い出します。

結びにも、歌手が歌いやすいように、感情をコントロールしやすいように、同じ要素を要求されます。エレベーターのように、盛り上がった感情がスーッと萎えていくのではなく、階段のようにグッと踏ん張りながら感情を抑えていきます。

「歌詞のタイトルを織り込む」とは、歌詞のタイトルを結びに織り込むと、作品名を覚えてもらえる効果が有ります。タイトルを織り込む事で作品のストーリーが引き締り、纏まりが良くなります。タイトルを必ず織り込む必要はありませんが、作詞のセオリーとして覚えておきましょう。

「余韻を残し拍手を貰う」とは、歌詞の結びの後には、次の番手に繋ぐ間奏や後奏があります。プッツリ切れてしまうと、間奏や後奏に繋がりません。歌手は、結びを歌い終わって声がでていなくても、歌っている姿勢を崩したりしません。

歌詞の出だしとサビの原稿より抜粋してみました。

沖に群れ飛ぶ鴎さえ
日暮れにゃ港へ帰るのに
あんた今頃何処の海
飛沫に晒した凍てつく肌を
温めてあげるよ 飛んで来い

上記に、結びの歌詞を創作してみます。「あんたは わたしの恋しい鴎 酔いどれ女の港唄」と即興してみました。この段階でタイトルは「酔いどれ女の港唄」になると思います。

酔いどれ女の港唄

沖に群れ飛ぶ鴎さえ
日暮れにゃ港へ帰るのに
あんた今頃何処の海
飛沫に晒した凍てつく肌を
温めてあげるよ 飛んで来い
あんたは わたしの恋しい鴎
酔いどれ女の港唄

結びには、感情を抑えて終わる歌詞と、感情を込めながら終わる歌詞が有ります。作曲家は、最後の1行に於いて感情の入り具合を見極めて、低音で終わるか?高音で終わるか?を判断します。歌詞の結びは「終わり良ければ全て良し」と言われる重要な要素を持っています。

追記 歌詞は全て原稿を執筆中の即興詞です、評価はご容赦くださいませ。


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。