初めての作詞入門 初級編
「詩と詞の違い」「タイトルの決め方」「テーマの決め方」「ストーリーの決め方」「歌詞のサビに就いて」など初めての作詞入門を紹介します。

テーマを決める

2013/02/01

テーマとは、作詞家が歌詞を通じて、何を訴えたいのか?という重要な要素を持っています。私は作品のテーマがハッキリ見えてくるまで、ペンを取りません。なぜならば、内容の薄い「できちゃった歌詞」になってしまうからです。

ドラマや映画にも必ずテーマがあります。人類愛、家族愛、夫婦愛、助け合い、人情、道徳、旅、人生、船出、祝い、不倫、思い出、青春、恋愛、失恋、冒険、歴史、人物など、テーマは身の回りに沢山あります。しかし、政治、宗教、思想のテーマは敬遠されています。なぜならば、個々の考え方に相違点が有り過ぎるからです。

テーマは「ああ、この気持ちは良く判る」「うんうん、そうだよねえ」と、誰もが共感し共有できるテーマを選びましょう。

昔の話ですが、某有名作詞家の講習セミナーに参加した事があります。作詞家は、ホワイトボードに漢字を書き始めました。

円、炎、園、縁、宴、塩、艶、遠、援など、全て「えん」です。
円は、お金の事ですが、仕事や商売、そして生活などのテーマも含まれます。
炎は、情念、嫉妬、妬み、愛、片思い、失恋、男と女、情熱、激情など、女性の性(さが)をテーマにできます。
園は、子供の歌や、学園、青春、サークル、スポーツ、バケーションまで広く捕らえる事ができます。
縁は、親子、兄弟、姉妹、夫婦、恋人、愛人、友人、絆、契り、出会い、別れなどのテーマがあります。
宴は、うたげ、宴会、結婚、誕生日、お別れ会、セレモニー、メモリアル、卒業、就職があります。
塩は、海、漁師、漁船、市場、海産物、港、航路、潮路のテーマが考えられます。
艶は、色気、心、仕草、化粧、背中、舞い、容姿、役者、歌手、俳優、舞台があります。
遠は、望郷、故郷、故里、夜汽車、出稼ぎ、家出、母、父、森、海、川、城など、故郷をしのぶテーマがあります。
援は、応援がテーマで、震災や火災、事故、海難、遭難、そして人生、恋愛の応援歌もあります。

「あい」でも、愛、哀、会い、合い、藍、逢い、遭い、相、曖と、かなりテーマが見つかりそうです。

作詞家の中には、歌詞を書かずにタイトルだけを歌手に見せて選ばせ、選んだタイトルで作詞する作家もいます。


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。