初めての作詞入門 初級編
「詩と詞の違い」「タイトルの決め方」「テーマの決め方」「ストーリーの決め方」「歌詞のサビに就いて」など初めての作詞入門を紹介します。

作詞への思い

2013/01/23

私が作詞に興味を持ち始めたのは、スナック等の飲食店にカラオケが持て囃された頃です。13歳からバンドの仕事を始めて、ピアノの弾き語りに転職し、1日に4件も掛け持ちしていました。地元福岡でも有名なクラブやバーでの弾き語りで、月収はチップ込み100万円を軽く超えます。

やがて、4件の掛け持ちが3件に減り2件になります。周囲を見回すと音楽を職にしていた人が激減し、タクシーの運転手や建築現場の日雇いを遣っています。ピアノの弾き語りが2件に減った時には、20人いたピアノの弾き語りが僅か3人になっていました。生の演奏には生の良さがあると自信を持っていましたが、世の中の大きな流れを実感したのです。このままでは家族を養っていく事ができないかもしれないし、私には運転免許証もない。まして、建築現場など力仕事などは1時間も持ちません。

そこで思いついたのが作詞家への転職です。うん!作詞ならば原稿用紙とペンがあれば自宅でもできるし、売れれば印税がガッポガポ入ってくると、都合の良い解釈をしたんです。先ずは作詞がどんなものかを理解し、基本をマスターしなければなりません。楽器店に行き作詞に関する書籍を探しまくりました。

作詞入門、簡単!誰でも作詞家になれる、作詞の初歩、作詞の基本など沢山ありました。中でも一番目を引いたのが「作詞作曲で飯を食うには」という書籍でした。作詞と作曲に対する実践的なノウハウが詳しく書かれていました。一番最後には「新人作詞家の会・新人作曲家の会」の案内が記されています。入会審査の作品1編と履歴書、そして入会審査費3000円を同封し郵送しました。数週間後に「シルクロード」と言う同人誌と会員登録証が送られてきたのです。

同人誌「シルクロード」には、全国からプロの卵が多数参加しており、活気に満ちた作品が掲載されています。私は作詞・作曲をした初めての作品を投稿しました。届いたシルクロードを開くと、1ページ目にピックアップ作品として掲載されています。「おおお!初めて書いた作品が行き成りトップだよう・・プロデビューできるじゃん」と期待しました。

2作目も3作目もトップでシルクロード新人賞を受賞しました。しかし、レコード会社や出版会社からの誘いは一切ありませんでした。次にコロムビアレコード会社が出版する「演歌ジャーナル」の作詞作曲コーナーに投稿しました。何といっても天下のコロムビアレコードですから、チャンスがあります。

初回からベストテンに入選し、グランプリ、準グランプリと上位に安定してきます。しかし、1年たっても2年たっても誘いがきません。

同人誌「シルクロード」が一年に1回行っている合評会&懇親会で主宰に相談すると、「うん!そうだろうね、自分から積極的に売り込む気力がないとダメなんだよ。」「売り込みは断られてから始まるから、粘りと根性とやる気を試されるんだよ」と言われました。なるほど、チャンスを待っていてもダメなんだなあ・・・実力があっても誠意が届かなければ意味がないんだなあ・・・と知らされました。

作詞は誰でも簡単にできます。しかし、感動を共有する作詞は誰でも書ける訳ではありません。詞は人生のように、奥深い味わいが必要なのですね♪


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。