初めての作詞入門 初級編
「詩と詞の違い」「タイトルの決め方」「テーマの決め方」「ストーリーの決め方」「歌詞のサビに就いて」など初めての作詞入門を紹介します。

歌詞の出だしに就いて

2013/02/07

作詞では「出だし良ければ全て良し」と言われています。「歌は出だしの2行で決まる」とも言われているのです。作詞コンテストでは、タイトルと頭の出だし2行で最終審査に残れるほど重要な部分になります。

歌詞の出だしは、「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました」と同じ要素があります。日常会話でも「食べた!美味しかった!」といきなり言われても、何処で何を食べたのかが判りません。

歌詞の出だしは、ロケーションから入る場合、登場人物の設定から入る場合、状況設定として入る場合があります。ロケーションから入る場合は、港、海、山、森、川、都会、田舎、故郷、自宅、旅館、旅などがあります。港ならば「沖に群れ飛ぶ鴎さえ 日暮れにゃ港へ帰るのに あんた今頃何処の海」と書いてみました。港のイメージを出すために鴎を使い、「あんた」と鴎を重ねてみました。

旅ならば「賽の河原を積み上げて 会いに来ました恐山 イタコの口寄せ あなたが見える」と書いてみました。いま、電話占いの執筆でイタコの口寄せ原稿を書いていたので影響されてしまいました。

身近な自宅ならば「西日の当たる部屋の外には あなたの好きだった コスモスが咲いてます」と書いてみました。ロケーションだけで終わらず、登場人物や状況設定を仄めかす要素を取り入れています。

登場人物の設定から入る場合は、職業や主役と準主役、そして脇役などを設定する必要があります。登場人物が一人では、一人芝居になってしまい、一方通行的な出だしになってしまいます。登場人物は二人が判りやすいですが、三人だと不倫など関係が複雑化していきます。

職業から入る場合は「ねじり鉢巻きりりと締めて ドンと船出の夫婦船」と書いてみました。ドンと船出の後を悩み、イカ釣り船、大漁船、北海船も考えましたが、夫婦船で登場人物を二人にしました。歌謡曲で良く出てくる職業に、居酒屋や小料理屋の女将やホステス業もあります。「暖簾おろして 提灯消して 今夜もあんたを待ちぼうけ」と書いてみました。暖簾と提灯でお店をイメージさせ、待ちぼうけで状況設定も少し入れてみました。

私はお酒を飲むのが好きで、居酒屋から小料理屋、そして屋台にも良く出かけます。お酒が入ると人間の本性を垣間見る事ができ、様々な人間をウォッチングする事ができます。私はあまり感じの良くない客ですから、何時もカウンターの隅に陣取っています。

状況設定として入る場合は、ロケーションや登場人物を織り交ぜた表現を使用します。「男と女の赤い糸 夜毎紡いで何を織る 愛という名の手毬をつくり 男の背中に投げつける」と書いてみました。女性の執念を手毬に例えて表現してみました。

私はタイトルと頭の二行を書いて終了する事があります。タイトルと頭の二行で未完成のまま保存しておくのです。作品を3番まで全て書いてしまうと、少しずつ色褪せる場合があります。頭の二行で留めて、作詞の依頼が入った時に書き上げ、旬の状態で校了しています。

追記 歌詞は全て原稿を執筆中の即興詞です。


森田一夫音楽クリニック
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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。