文化ホールの仕事体験記
キイチロウさんの文化ホール仕事体験記を紹介します。

これから仕事をする人へのアドバイス

2011/10/05

行政の仕事は行政の職員でなければできない、そう考えられていたのは一昔前のことです。数十年前から、行政の仕事が委託業務として民間に委託され始めました。そして現在は、指定管理者制度の導入によって、より多くの仕事が民間に委託されています。

指定管理者制度というのは、地方公共団体やその外部団体に限定していたそれまでの行政施設の管理や運営を、それ以外の民間会社に代行させることができるという制度です。勿論、その市町村によって指定管理者制を導入している数は違いますが、出先機関ではほとんどが指定管理者制度や業者委託を導入しています。

例えば、博物館、図書館、公民館、文化ホール、福祉会館等では、数人の行政職員を残して、その施設職員はすべて民間会社の職員です。文化ホールで仕事がしたいと思ったら、まず公務員試験や行政職員採用試験に合格しなければならないという概念は、今やもう必要ではありません。管理運営する民間会社へ入社すれば、すぐにでも文化ホールで仕事をすることができます。

文化ホールは大きな施設ですから、仕事の担当がはっきりと分かれています。舞台だけでも、音響、照明、舞台と3つの係があります。舞台芸術という専門性のある仕事ですから、それらに興味のあることがまず求められます。

コンサートにしても演劇にしても、本番終了までは連日深夜までの練習があったりと、時間的にも体力的にもかなりハードな仕事です。しかし本番を迎え、お客さんから喝さいを浴びたときの満足感は、ほかの何物にも代えがたいものがあります。

建物の維持管理の仕事というのは、地味で目立たないものです。しかしそれが万全でなければ、舞台公演も不可能です。電気、機械、消防、ビル管理等に精通した資格取得者が、それらの仕事に向いています。

文化ホールの事務員の仕事は、帳簿以外にも様々なものがあります。公演時の受付から楽屋管理まで、その時々の公演内容によって、入場者が子ども主体であるかご年配者であるかをきちんと把握して、ホール管理をしなければなりません。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。