- 文化ホールの仕事体験記
- キイチロウさんの文化ホール仕事体験記を紹介します。
実際に働いてみて良かったこと
2011/10/02
文化ホールで良かったのは、芸能人に直接会えたことでした。初めて会ったのは、天童よしみさんでした。気さくで明るくて、その辺にいるお姉ちゃんという感じでした。
挨拶に始まり、世間話や自分のことなど、いろんな話をしました。小屋付きの私たちにとても気を使ってくれ、こちらが恐縮するほどでした。
数えれば切りがありませんが、森山良子さん、アンルイスさん、西条秀樹さん、小田和正さん、イルカさんなど、とても良い人たちに会うことができました。それまでテレビで見るだけだった芸能界の人たちを身近に感じることができ、益々ファンになりました。
コンサートを生で見聞きできたことも、良かったことのひとつでした。ライブの迫力やMCの面白さに、その人の新たな一面を発見しました。
しかし見るといっても勿論、客席で見た訳ではありません。音声さんからモニター用の音源を貰い、館内へモニターを流すという仕事をしながら、ホールの音響室の小さな窓から見たのです。小屋付きの担当者は、それぞれが自分の持ち場での仕事をしながら進行を見守らなければなりません。
芸能人の中には、我儘な人や気位の高い人もいました。しかしほとんどは礼儀正しく話し上手な人ばかりでした。
自主事業で自分たちの意見がかなり反映されたのも、良かったことのひとつでした。多くの演劇やコンサートの中から、皆で意見を出し合って行事を決定しました。
テレビでの広報のほかに、直接、店舗へ飛び込んで交渉をして、ポスターを貼らせて頂いたりもしました。チケットの売れ行きが好調で、住民から多くの問い合わせがあると、少し得意な気分になりました。
知り合いからサインを貰って欲しいと頼まれたりすると、まるで自分が芸能界の人間になったような気がしました。本番当日は目の回るような忙しさで、帰宅するのはいつも真夜中の0時を過ぎていました。
しかしコンサート終わりで拍手が鳴りやまず、何回もアンコールがあったりすると、まるで自分のことのように嬉しかったことを覚えています。そのコンサートを選んだ自分達に間違いがなかったのだと、また新たな意欲が湧いてきたものです。
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キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。