介護の仕事体験記
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実際に働いてみて驚いたこと

2011/12/08

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グループホームの特徴は、入居者が全員認知症だということです。しかしいくら言葉で認知症といわれても、私には全く理解できませんでした。というより私の場合、仕事を始めてから1週間くらい、認知症のことが分かりませんでした。

グループホームの入居者9人全員は、どこにでもいるごく普通の高齢者だとしか思えませんでした。仕事を始めて2日目、私は輩職員から「今日一日ほかの仕事はしなくていいから1人1人と話をしてください。食事やオヤツも一緒に食べてください」と、まるで夢のような言葉をかけられました。

そんなことをして給料を貰ってもいいのかと、少し心配になったほどでした。先輩職員いわく、食事介助、入浴介助、トイレ介助も大切だけれど、やはりグループホームで一番大切なことは入居者さんとのコミュニケーションだということでした。

その指示通りに、私は午前10時のコーヒータイムから、入居者に混じって席に着きました。全員の名前だけは何とか覚えていましたので、1人づつに話しかけてみました。

私が「今日は許可を貰ったので、皆さんと一緒に話をさせて貰います」というと、入居者はそれぞれ「それはいい」「ゆっくりしなさい」「こんな若い人が入ってくれると私らも楽しみや」と口々にいいました。

読んでいた新聞を貸してくれたり、私の目の前にチラシを広げて、「美味しそうでしょ」と洋菓子ファーストフード店の説明をしてくれたりしました。私でさえ知らなかった洋菓子ファーストフード店の商品の詳細を、ご高齢であるにもかかわらず、その女性はとてもく知っていました。以前から大好きで、毎日のように食べていたというだけあって、私は完全に聞く側にまわり感心する一方でした。9人が9人ともそんな調子でした。コーヒーに付いていたチョコレートを私にくれたり、年齢や家族のことを訊かれたりして、私はまるで新入居者のようでした。この人たちのどこが認知症なのかと、私は誰かに向けて叫びたいほど、9人の入居者全員から暖かさを感じたのです。

しかし1週間後、それはがらりと変わりました。いえ、変わったのではなく、ようやく元に戻ったのでした。新しい職員である私に対する気遣いがなくなり、ようやく入居者全員が普段の状態に戻ったのだと先輩職員に教えらて、私は愕然としました。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。

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