介護の仕事体験記
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初日はどうだったのか?

2011/12/06

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グループホームの入居者は、全員認知症です。しかし私は、認知症というものを全然知りませんでした。私はまず、トイレ掃除をしました。トイレ内にある介護用品や、手すりの位置を確認しておくよう先輩職員にいわれたからでした。

それが終わると、今度は9つある各居室の掃除をしました。入居者1人ひとりに部屋を掃除することを伝えると、皆からお礼をいわれました。

自分で出来る人には掃除機を渡し、私が補助として手伝いました。82歳の男性がホールを掃除してくれるというので、私は掃除機を渡し、その様子を見ていました。毎日しているだけあって、手慣れたものでした。椅子に座ったほかの入居者たちが、タイミング良く足を上げ、その隙に男性は素早く掃除機を足元に滑り込ませていました。

手助けがいらないと思うくらい、何でも出来る高齢者が、男性のほかにもいました。それは88歳の小柄な女性で、洗濯物をハンガーに干したり、乾いた洗濯物を畳むのが完璧でした。 干す時は洗濯物を手のひらでパンパンとたたいて、皺を伸ばしました。畳むときには、1人1人の名前が見えるよう、衣類の名前の部分が表面に出るように畳んで並べました。

昼食が終わり、午後3時のおやつの時間、ようやく私は入居者と一緒にテーブルにつきました。いろんな話をしていると、さっきの88歳の女性が私に名前を訊いてきました。勿論、挨拶のときに1人1人に自分の名前をいったのですが、忘れたのだろうと思い再度いい直しました。

2、3分後、その女性がまた私に、名前を訊いてきました。それは何度も繰り返され、私はそのとき初めて、認知症という言葉を思い出しました。

82歳の男性が、私にコーヒーのおかわりを入れてくれました。疲れただろうから無理をしないようにと、ほかの入居者も、何度も私に声をかけてくれました。

これでは一体どちらが職員でどちらが入居者か分からない、と思うくらい、入居者全員が私を気遣ってくれました。認知症というのは、単なる物忘れではないだろうか、そう思ったくらい楽しいグループホームでの初日でした。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。

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