作曲家の舞台裏
「作曲家と演奏家の違いとは?」「作曲家の創作方法」「作曲家の歌唱指導」「作曲家と作詞家どちらが強い?」「作曲家の七つ道具とは?」など作曲家の舞台裏を紹介します。

作曲家と演奏家の違いとは?

2014/05/13

私は13歳の時に横浜のアメリカ軍基地内「将校クラブ」において、ドマラムを叩いていました。その後、東京のプロダクションと契約し九州のショウバンドマスターを任されます。そして一人で演奏できるピアニストに転校しましたが、カラオケの隆盛に押されて作曲家に転職しました。

え!作曲家になるのは、そんなに簡単なの?と思うかもしれませんが、ウインドウズ95が発売された時より、初期のコンピューターミュージックに精通しており、コロムビア音楽出版の「演歌ジャーナル」に広告をだしたら、月に数十本の依頼が入りました。メジャーの作曲家ではありませんが、作曲で飯が食えればプロです。

作曲家には得意とする楽器があります。古賀政男先生はマンドリン・ギター・大正琴が得意であり、ポップス系の作曲家はギターやキーボードを自在に操ります。

しかし、作曲に向いている演奏家と全然作曲できない演奏家がいます。例として、私と親友の吉富克己に就いて書きましょう。

私の演奏スタイルは、即興演奏がメインになっています。例えば、「イエスタディ ワンス モア」をJAZZにアレンジして演奏すると、アドリブで10分くらい弾いてしまい、1曲が15分ほどの長さになります。

親友の吉富はギターリストですが、彼が「イエスタディ ワンス モア」を演奏するとCDと同じ4分プラスになります。

私が作曲事務所を立ち上げた時、吉富は付いて来ましたが作曲はできませんでした。つまり、楽譜通りに演奏する演奏家と、自由にアレンジや即興ができる演奏家では違うのです。

私は、吉冨に作曲ではなく編曲を進めましたが、これもできませんでした。編曲は全ての楽器について熟知しなければできません。そこで、私が作曲編曲した作品のギターパートだけを依頼しました。さすがにギターリストで、自分のパートは得意分野でした。作曲家には、サビ部分専用とかパートの聞かせどころだけを担当する、ワンフレーズ作曲家もいるのです。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。