- メキシコシティでアパート探し
- 「メキシコシティのアパートとは」「アパート情報を得る方法」「アパート内覧で起こったトラブル」「メキシコシティの賃貸相場」などメキシコシティでアパート探しについて紹介します。
工事現場の隣の物件に住むと大変なことに
2018/03/22
現在住んでいるアパートは4軒目の物件ですが、3軒目の物件は、東西北、またアパートの建物自体がすべて工事中、という物件でした。
普通の感覚ならそんなところに住みませんが、運悪く見学に行ったのが日曜日で工事はお休み、しかも住み始めたのがお正月だったので、これまた工事はお休みで、工事現場のど真ん中にいるというのは、住み始めてから1週間も経ったあとでした。
とにかく、部屋の中にいられもしない騒音です。地面を掘り返す振動で部屋が揺れるほどです。しかも住んでいた建物の壁を剥いで、塗りなおすという作業の最中だったので、壁のタイルを剥ぐ機械の音と、ダイレクトに振り下ろされるハンマーの振動で、世紀末のような様相を呈していました。
日本だったら、住民自治会などで事前に業者と話し合い、いろいろ取り決めと防音対策をした上で工事をするのでしょうが、ルームメイトによると、メキシコではそんなプロセス自体が存在しない、とのこと。
普通の勤め人は、工事が始まる朝9時前に家を出て、工事が終わる夕方6時ごろに帰ってくるので、あまり気にもならないでしょう。ただわたしは自宅で働くフリーランス。運悪く大きな翻訳の仕事を受注していたときでもあり、ヘッドフォンで音楽をかけてもどうにもならない振動の中、集中力の必要な翻訳作業をする、という憂き目に逢いました。
ルームメイトのひとりも自宅で働いている女性で、彼女と文句を言い合えるのが唯一の慰めでした。これでルームメイト全員が外勤めで、「それは大変だね、でもわたしは関係ない」という状態だったら、精神的に参っていたと思います。
彼女とはしばしば騒音から逃げ出し、近くの図書館で働いたりもしました。それはそれでいい思い出です。
しかしそのアパート、惜しいことに自宅で働く彼女を含め、ルームメイトは全員いい人で、綺麗好き、うるさいパーティもしない、という理想的な人たちでした。騒音さえなかったら、同じアパートに住み続けていたと思います。
結局そのアパートは、1か月分前払いした家賃を消化する形で退去しました。とにかく問題物件というのは、住んでみないと分からないのが恐ろしいところです。
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そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。